パアンガ

パアンガ（paʻanga）について

パアンガは、南太平洋の島国トンガで使用されている通貨です。通貨記号はT$で、補助通貨単位としてセニティ（seniti）があり、1パアンガは100セニティに相当します。トンガ国内では、「トンガ・ドル」と呼ばれることもあります。

パアンガは、トンガの首都ヌクアロファに拠点を置くトンガ国立準備銀行によって発行されています。為替レートは、オーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドル、米ドル、日本円という複数の主要通貨で構成される通貨バスケット制にペッグされています。

パアンガの歴史

パアンガが導入されたのは1967年4月3日のことです。導入時のレートは2英ポンド=2パアンガでした。当初、パアンガはオーストラリア・ドルにペッグされていましたが、1991年2月11日からは通貨バスケット制へと移行しました。この変更により、パアンガの価値はより安定した変動をすることとなりました。

硬貨

1967年に、1、2、5、10、20、50セニティと1パアンガ硬貨が発行されました。しかし、実際には50セニティと1パアンガは主に紙幣が使用され、硬貨の発行は限定的でした。その後、50セニティ硬貨が主流となり、紙幣の発行は1983年に中止されました。

現在流通している硬貨は、1、2、5、10、20、50セニティ硬貨です。1と2セニティは青銅貨、残りは白銅貨で製造されています。これらの硬貨は、日々の取引で広く使用されており、トンガの経済活動を支えています。

紙幣

紙幣は1967年に、1/2、1、2、5、10パアンガ紙幣が発行されました。初期の紙幣には、サローテ女王の肖像が使用されていましたが、1974年に王位を継承したトゥポウ4世の肖像に切り替えられました。1983年には1/2パアンガ紙幣の発行が中止され、1985年には20パアンガ紙幣、1992年には50パアンガ紙幣が新たに発行されました。

2006年にトゥポウ4世が崩御した後、2008年から後継のトゥポウ5世の肖像画が描かれた新しい紙幣が流通を開始しました。この時、高額紙幣として100パアンガ紙幣が導入されました。さらに、2015年からは現国王であるトゥポウ6世の肖像画が描かれた紙幣が流通しており、1パアンガ紙幣の発行は停止されました。

このように、パアンガ紙幣のデザインは、トンガの歴史や王室の変遷を反映しています。

まとめ

パアンガはトンガ経済の根幹をなす通貨であり、その歴史と発展はトンガの国家としての歴史と深く結びついています。硬貨や紙幣のデザインは、トンガの文化や王室の歴史を象徴するものであり、国民のアイデンティティを形成する重要な要素です。通貨の安定は経済発展に不可欠であり、パアンガの価値維持に努めるトンガ国立準備銀行の役割は非常に重要です。

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