オーストラリア・ドル

オーストラリア・ドルの詳細

オーストラリア・ドル（AUD）は、オーストラリア連邦で使用される通貨の名称で、多くの国で親しまれている通貨です。オーストラリア国内だけでなく、ナウル、ツバル、キリバスなどの地域でもこの通貨が使用されています。通貨シンボルとしては「A$」、一般には「豪ドル」と呼ばれています。

通貨の概要

オーストラリア・ドルには、5、10、20、50、100ドルの紙幣と、5、10、20、50セント及び1、2ドルの硬貨が存在します。かつては1ドルおよび2ドルの紙幣も流通していましたが、今ではこれらは硬貨に置き換わっています。

過去には存在した1セントと2セントの硬貨は1992年に廃止され、取り扱いは切り上げまたは切り下げの基準で統一されています。これらの硬貨にはオーストラリア特有の動物がデザインされており、例えば、5セント硬貨にはハリモグラ、10セント硬貨にはコトドリが描かれています。加えて、収集用の金貨や銀貨も発行されており、ナゲット金貨やカンガルー銀貨が有名です。

近年では、日本など他国からの資本流入が進んでおり、高い公定歩合が人気を集めています。

紙幣の構造と特徴

現在流通しているオーストラリア・ドルの銀行券は、植物性の繊維紙ではなく、薄いプラスチック製のポリマー紙幣となっており、非常に高い耐久性を持っています。このポリマー紙幣は、手や水で破れにくい一方で、製造コストが高く抑えられていますが、耐用年数は通常の紙製品の3倍から5倍とも言われており、長期間にわたる使用が可能です。

オーストラリア準備銀行（RBA）とオーストラリア連邦科学産業研究機構（CSIRO）の技術によって開発されたこのポリマー紙幣は、世界中で高い評価を受けています。また、透かし部分には透明のフィルムが使用されており、セキュリティ面でも配慮されています。

オーストラリア・ドルの歴史

オーストラリア・ドルは1966年にそれまでのオーストラリア・ポンドから移行し、導入されました。この変更により、オーストラリアの通貨は以前の英国ポンドに依存することなく独自の方法で価値を決定することができるようになりました。

1965年、当時の首相ロバート・メンジーズは通貨の名称を「ロイヤル」としたいと提案したものの、評価があまり良くなかったため、最終的には「ドル」と名付けられました。

1966年2月14日、オーストラリア・ドルとして初めて取引が行われ、当初のレートは英国通貨に連動した形となっていました。しかし1967年に英国がポンド切り下げを実施した際、オーストラリアはいち早く独自政策を採用し、結果的にポンド通貨圏から離脱する道を歩むことになりました。

流通する硬貨と紙幣

すべての硬貨の表面にはエリザベス2世の肖像が印刷されています。具体的には、硬貨には様々な材質が使用され、5セントから50セントまでが銅とニッケルの合金でできており、1ドルと2ドルは主に銅とアルミニウム、ニッケルで作られています。

現在流通している紙幣も、すべてがポリマー素材で作られており、様々な色合いでそれぞれ異なるデザインが特徴です。たとえば、5ドル紙幣は紫色で、エリザベス2世の肖像を表面に持ち、裏面にはオーストラリア国会議事堂が描かれています。2022年にエリザベス2世が亡くなり、今後の肖像については検討が続けられています。

廃止された貨幣

かつては流通していた1ドルと2ドル紙幣は、貨幣価値が低いため1984年に1ドル、1988年に2ドルが廃止されました。このようにオーストラリア・ドルは時代の変化に応じて進化を続けています。

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