パイプス・オブ・ピース

『パイプス・オブ・ピース』（Pipes of Peace）は、1983年にポール・マッカートニーが発表したアルバムです。当初は前作『タッグ・オブ・ウォー』と2枚組でリリースされる予定でしたが、レコード会社の意向により単独での発売となりました。

概要

本作は『タッグ・オブ・ウォー』と対になる作品として構想され、「二元的対立」への答えを示すというテーマが込められています。アルバムには、本作のために新たにレコーディングされた楽曲と、『タッグ・オブ・ウォー』のレコーディング時に収録が見送られた楽曲が収録されています。

1981年末に『タッグ・オブ・ウォー』のレコーディングを終えたポールは、数週間の休暇後、翌年1月からロンドンのスタジオで本作に収録される新曲のレコーディングを開始しました。その後、前作のリミックス作業やプロモーションに時間を費やし、同年9月から再びレコーディングを再開するという長期的な制作となりました。

レコーディングは1983年1月まで続けられましたが、ポールの映画撮影やその他の仕事の都合により、当初予定されていた3月の発売から大幅に遅れることとなりました。結果として、全英アルバムチャートで4位、全米アルバムチャートで15位を記録しています。

楽曲

前作に引き続き、ジョージ・マーティンがプロデュースを担当し、レコーディングメンバーもほぼ同じです。前作ではスティーヴィー・ワンダーとの共演が話題となりましたが、本作では、当時『スリラー』の世界的な大ヒットでスーパースターとなっていたマイケル・ジャクソンと「セイ・セイ・セイ」、「ザ・マン」で共作・競演しました。特に「セイ・セイ・セイ」はシングルとしてリリースされ、全米1位、全英2位という大ヒットを記録しています。また、スタンリー・クラークとは「ヘイ・ヘイ」を共作しています。

収録曲

1. パイプス・オブ・ピース - Pipes Of Peace
2. セイ・セイ・セイ - Say Say Say（＆マイケルジャクソン）
3. もう一人の僕 - The Other Me
4. キープ・アンダー・カヴァー - Keep Under Cover
5. ソー・バッド - So Bad
6. ザ・マン - The Man（＆マイケルジャクソン）
7. スウィート・リトル・ショー - Sweetest Little Show
8. アヴェレージ・パーソン - Average Person
9. ヘイ・ヘイ - Hey Hey（＆スタンリークラーク）
10. タッグ・オブ・ピース - Tug Of Peace
11. スルー・アワ・ラヴ(ただ愛に生きて) - Through Our Love

ボーナス・トラック（ポール・マッカートニー・コレクション デジタル・リマスター盤）

1. トゥワイス・イン・ア・ライフタイム - Twice In A Lifetime
同名映画主題歌
2. ウィ・オール・スタンド・トゥゲザー - We All Stand Together
1984年のシングル、アニメーション・ビデオのサウンドトラック
3. シンプル・アズ・ザット - Simple As That
1986年のチャリティー・アルバム収録曲
4. Say Say Say (12" version)
2007年 iTunes Store販売版ボーナス・トラック

クレジット

ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、バッキング・ボーカル、ベース、ギター、ピアノ、キーボード、ドラムス、パーカッション 他
リンダ・マッカートニー - バッキング・ボーカル、キーボード
エリック・スチュワート - ギター、バッキング・ボーカル
マイケル・ジャクソン - ボーカル＆バッキング・ボーカル（on "Say Say Say", "The Man"）
デニー・レイン - ギター
その他、豪華ミュージシャンが多数参加

『パイプス・オブ・ピース』は、豪華なゲストを迎え、多彩な音楽性を追求した、ポール・マッカートニーの代表作の一つとして、現在も多くのファンに愛されています。

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