パシフィック・ウエスタン大学

パシフィック・ウエスタン大学（Pacific Western University）は、2006年までハワイ州に存在した未認定の大学です。アメリカン・パックウェスト国際大学（American PacWest International University）という別名も持っていました。しかし、この大学は、教育機関としての実態を伴わない、いわゆる「ディプロマミル」（学位商法）として知られています。

その起源は、ナイトクラブの経営者がサイドビジネスとして始めたもので、教育や学術とは全く無関係でした。主な活動は、博士号をはじめとする学位を販売することで、その濫発ぶりが問題視されていました。大学の日本事務局の公式サイトによると、1987年から日本人を対象に学位販売を行っていたとされています。

ハワイ州は、このような未認定の教育機関に対して厳しい態度で臨んでおり、2000年以降、66もの未認定校に対して法的措置を取ってきました。パシフィック・ウエスタン大学もその一つであり、2006年5月9日には州立裁判所が欠席裁判で州に有利な判決を下し、大学の運営停止と50万ドルの刑事罰を命じました。これにより、パシフィック・ウエスタン大学は閉鎖されました。

この大学の卒業生とされる人物の中には、宗教家の福永法源氏、実業家でシダックスの社長であった志太勤一氏、UFO研究家で竹内文書研究家の高坂克巳氏、作家の原田実氏、気功師の邵錦氏、考古学者の吉村作治氏、歴史家の茶園義男氏、映画評論家でタレントの水野晴郎氏、造園家の川名孝一氏、アフリカの政治家であるビング・ワ・ムタリカ氏、児童文学研究者の岡田純也氏、タイの政治関係者で実業家のタパナ・ブンラー氏などがいます。

パシフィック・ウエスタン大学は、その実態から、ディプロマミルの典型例としてしばしば引き合いに出されます。また、類似の未認定校として、カリフォルニア・ミラマー大学も挙げられます。

この一件は、学位の価値や教育機関の認定制度の重要性を改めて認識させる出来事となりました。

関連情報

ディプロマミル（Diploma mill）: 実質的な教育活動を行わず、金銭と引き換えに学位を授与する機関。
カリフォルニア・ミラマー大学：パシフィック・ウエスタン大学と同様に、未認定の大学として知られています。

外部リンク
* テキサス州による非認定校リスト：テキサス州が認定していない教育機関のリスト。パシフィック・ウエスタン大学も掲載されている可能性があります。

もう一度検索