パセオ (札幌市)

パセオ：札幌駅と共に歩んだ商業施設の歴史

パセオは、かつて札幌駅高架下に存在した商業施設で、JRタワーを構成する重要な要素でした。その名前はスペイン語の「散歩道」に由来し、駅を訪れる人々に親しみやすい空間を提供していました。札幌市営地下鉄東豊線さっぽろ駅への連絡口としても機能し、多くの人々が利用する交通の要所でもありました。

リニューアルとエリア構成

2011年には大規模なリニューアルが行われ、内装が一新されるとともに、英語表記が「PASEO」から「paseo」に変更されました。エリアは「paseo WEST」「paseo CENTER」「paseo EAST」の3つに再編され、それぞれ異なる特色を持つ店舗が集まりました。

paseo WEST: レストランやカフェなどの飲食店が中心。
paseo CENTER: 札幌駅改札下に位置し、東西を結ぶ通路。
paseo EAST: ファッション、雑貨、ヘルス&ビューティー関連の専門店が集まる。

また、paseo CENTERの中央部には「テルミヌス広場」が新設され、待ち合わせ場所やイベントスペースとして活用されました。

館内の特徴

開業当初は、ファッション、子供用品、工芸品、飲食店など、多様なジャンルの店舗が7つのエリアに分かれていました。地下1階には「水の広場」があり、憩いの場となっていました。

リニューアル後も、以前の面影を残す工夫が凝らされました。地下1階東西通路には、改装前の特徴的な天井、石畳、床面のレリーフなどが保存され、「テルミヌスの記憶」と名付けられました。テルミヌス広場から札幌駅へ続く通路には、歩くとセンサーが反応してサウンドアートが流れる「テルミヌス・サウンド」が設置され、訪れる人々を楽しませました。

歴史

1987年：「札幌ステーション開発株式会社」設立。
1989年：着工。
1989年7月：一次開業。
1990年：グランドオープン。
2005年：札幌ステーション開発が合併により「札幌駅総合開発」に商号変更。
2011年：リニューアルオープン。
2022年9月30日：北海道新幹線札幌延伸工事のため営業終了。

新型コロナウイルス感染症の影響

2020年には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、一時的に臨時休業となりました。しかし、生活必需品を扱う店舗は営業を継続し、地域住民の生活を支えました。

エフエム北海道（AIR-G'）とのコラボレーション

閉店前の2022年7月からは、エフエム北海道（AIR-G'）とのコラボ番組『paseo Final Walkers』が毎週金曜日に公開生放送され、多くのファンが訪れました。

パセオは、札幌駅と共に発展してきた商業施設であり、多くの人々に愛されてきました。北海道新幹線札幌延伸という新たな未来に向かって、その歴史に幕を閉じましたが、その記憶は多くの人々の心に刻まれています。

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