パダン

パダンについて

パダン（インドネシア語: Kota Padang）は、インドネシアの西スマトラ州の州都であり、同州最大の都市です。スマトラ島の西海岸に位置し、古くから交易の要所として発展してきました。

歴史

16世紀から、パダンは交易の中心地として栄えました。特に、コショウの栽培と貿易は、インド、ポルトガル、イギリス、オランダといった国々が関わるほど活発でした。1663年にはオランダによって占領され、交易所が建てられました。その後、イギリスによる2度の占領期間を経て、1819年にオランダの支配下に戻りました。

18世紀には、金鉱からの産出が主要な交易品でしたが、その後、コーヒー、塩、織物などが主要産物に変わっていきました。

パダンは、地震と津波による大きな被害を過去に受けています。1797年には、マグニチュード8.5～8.7の地震とそれに伴う高さ5～10メートルの津波によって壊滅的な被害を受け、多くの建物が倒壊し、多数の死者が出ました。1833年にも、マグニチュード8.6～8.9と推定される地震による津波に見舞われ、再び大きな被害を受けました。近年では、近い将来、パダン沖で巨大地震が発生する可能性が指摘されています。

独立時には、パダンの人口は約5万人でした。その後、都市の成長と地方からの人口流入により、人口は増加し続けています。現在もコーヒーは重要な産物であり、内陸部の農場で生産されるコプラも主要な産物の一つです。

行政区画

パダンは11の郡（kecamatan）に分かれています。Bungus Teluk Kabung, Koto Tangah, Kuranji, Lubuk Begalung, Lubuk Kilangan, Nanggalo, Padang Barat, Padang Selatan, Padang Timur, Padang Utara, Pauh がそれにあたります。

交通

パダンには、パダン・パリアマン県のKetapingにミナンカバウ国際空港があります。この空港は、パダンへのアクセスを容易にしています。また、パダンのテルク・バユール港は、スマトラ島西海岸で最大かつ最も利用されている港です。

教育

パダンには、インドネシアでも古い大学の一つであるアンダラス大学があります。その他にも、Universitas Negeri Padang, Bung Hatta University, Baiturrahmah Universityなど、多数の大学が所在しています。

文化

料理

パダンは、ミナンカバウ族の料理、いわゆる「パダン料理」の中心地です。パダン料理は、インドネシア全土で非常に人気があり、その独特な提供方法とスパイシーな味が特徴です。様々な料理が少しずつ提供され、白米と共におかずを楽しみます。ルンダン（牛肉のスパイス煮込み）は、パダン料理を代表する一品です。その他にも、ソト・パダン（牛肉のスパイシーなスープ）やサテ（牛肉の串焼き）が地元で親しまれています。

スポーツ

パダンには、サッカークラブ「Semen Padang」の本拠地があり、Haji Agus Salim Stadiumがホームスタジアムとして使用されています。

観光

パダンは、バトゥ諸島やメンタワイ諸島へのサーフィン客や、西スマトラの高地を訪れる旅行者のための主要な乗り継ぎ地点です。パダンビーチは美しい夕日と多数の屋台で有名で、Bungus湾は水泳やボートを楽しむことができます。また、Adityawarman博物館では、ミナンカバウ族の歴史と文化を学ぶことができます。

気候

パダンは、熱帯雨林気候に属しており、一年を通して高温多湿で、降水量も非常に多いのが特徴です。気温の日較差、年較差は小さく、極端な高温や低温になることはほとんどありません。9月から12月にかけて、降水量がやや多くなる傾向があります。

姉妹都市

パダンは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ヒルデスハイム（ドイツ）
ブンタウ（ベトナム）
ベイトゥ・ラヒア（パレスチナ）
チョンブリー（タイ）
バンドン（インドネシア）
パース（オーストラリア）
* ドバイ（アラブ首長国連邦）


パダンは、豊かな歴史と文化、そして美しい自然を持つ魅力的な都市です。

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