パッ

パッ（Pap/Bap）― 韓国のソウルフード、その歴史と作り方

韓国料理において、パッ（pap/bap）は欠かせない存在です。日本語で「ご飯」を意味するこの料理は、単なる主食という枠を超え、韓国の食文化を象徴する存在と言えるでしょう。本稿では、パッの歴史、多様なバリエーション、そしてその作り方について詳しく解説します。

パッとは？

パッは、コメを主原料とした韓国の主食です。単独で炊くこともあれば、黒米、大麦、トウモロコシ、キビ、アワなどの穀物、あるいは様々な豆類を混ぜて炊くこともあります。さらに、野菜、魚介類、肉などを加えて調理するバリエーションも豊富です。

伝統的な作り方と現代の調理法

伝統的には、大きな釜であるカマソッ（鋳鉄製の釜）を用いて、家族みんなで食べる分のパッを調理していました。近年では、炊飯器を使う家庭も増えましたが、石の深鍋であるトルソッを用いて調理する「sotbap」は、特に香ばしく、お焦げ（ヌルンジ）も楽しめることから、特別な味わいとして珍重されています。

パッを作る工程は、まずコメを丁寧に研ぎ洗いすることから始まります。この際に出る研ぎ汁（tteumul）は、捨てずに活用する家庭も多いようです。研いだコメは30分ほど水に浸し、均一に火が通るようにします。玄[[米]]やジュズダマなど、粒の大きい穀物を使う場合は、数時間から一晩水に浸しておく必要があります。

その後、加熱していきます。通常の厚手の深鍋を使用する場合は、蓋をして中火で約10分加熱し、その後かき混ぜて弱火で5～10分間加熱するのが一般的です。

パッのお焦げ（ヌルンジ）

鍋底にこびりついたお焦げ（ヌルンジ）は、韓国では貴重なごちそうとして扱われます。そのままスナックとして食べたり、お焦げ茶（スンニュン）として楽しむなど、様々な方法で活用されています。

パッをベースにした料理

パッは、韓国料理の様々な料理のベースとして用いられています。代表的な料理として、以下のものがあげられます。

ビビンバ: 混ぜご飯。様々な野菜や肉、卵などを混ぜて食べる。
ポックムパッ: 炒めたご飯。様々な具材を炒め、ご飯と混ぜて食べる。
トッパプ: ご飯を土鍋で炊き、そのまま器として使う料理。
キムパプ: 海苔巻き。ご飯と様々な具材を海苔で巻いたもの。
クッパ: ご飯とスープを合わせた料理。
サンパッ: ご飯を蒸して作った料理。

パッから見る韓国の食文化

パッは、単なる主食ではなく、韓国の家族や歴史、文化を反映した料理と言えます。家族みんなで囲む食卓の中心であり、季節の食材を取り入れたり、工夫を凝らしたりと、韓国の人々の生活に深く根付いていることがわかります。また、お焦げを大切に食べるという点からも、資源を無駄にしない、韓国の伝統的な食文化の一端を見ることができます。

まとめ

パッは、シンプルながらも奥深い韓国の伝統料理です。その歴史や作り方、バリエーションを知ることで、韓国の食文化への理解がより深まるでしょう。機会があれば、ぜひ本場の味を体験してみてください。

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