パッケージソフトウェア

パッケージソフトウェアとは

パッケージソフトウェアとは、特定の業務や業種で広く利用される既製のソフトウェア製品のことです。企業向けには、ERP（企業資源計画）、会計、給与計算などの業務システムが、個人向けには、ワープロ、グラフィックデザイン、ウイルス対策ソフトなどが挙げられます。これらのソフトウェアは、開発・販売会社によって事前に開発され、箱詰めされて販売されるため、「パッケージ」と呼ばれています。

パッケージソフトウェアの特徴

汎用性: 特定の業務や業種で共通して利用できる機能を提供しており、幅広いユーザーに対応できます。
既製品: 見込みで開発されているため、ユーザーは開発工程を経ずにすぐに利用を開始できます。
コスト: 開発コストが多数のユーザーで分担されるため、スクラッチ開発に比べて比較的安価に入手できます。
情報: 多くのユーザーが利用しているため、操作方法や利用例などの情報が豊富に入手できます。
拡張性: 多くのパッケージソフトは、カスタマイズやオプション機能によって、ユーザーのニーズに合わせて調整できます。

パッケージソフトウェアの利点

導入の速さ: 既製品のため、導入準備期間が短く、すぐに利用を開始できます。
コスト削減: スクラッチ開発と比較して、導入コストを大幅に削減できます。
情報の豊富さ: 利用者が多いため、操作方法やトラブルシューティングに関する情報が容易に入手できます。
機能の充実: 標準機能のほか、拡張機能やオプション機能が提供されていることが多く、柔軟なカスタマイズが可能です。
最新状態の維持: ソフトウェアのアップデートが比較的容易で、常に最新の状態で利用できます。
予期せぬ機能: 開発者が想定していなかった便利な機能が、ユーザーにとって役立つことがあります。
技術者の経験: 複雑な製品を開発する経験を蓄積できます。

パッケージソフトウェアの難点

適合性の検討: 自社の業務内容や連携システムとの適合性を事前に十分に検討する必要があります。
不要な機能: 必要な機能以外にも、不要な機能が含まれている可能性があります。
カスタマイズ: 業務内容に合わせるためにカスタマイズが必要となる場合があります。
カスタマイズによるコスト増: カスタマイズ量によっては、スクラッチ開発よりも高額になる場合があります。
メーカー保証: カスタマイズによっては、メーカー保証の対象外となる場合があります。
カスタマイズの制限: 製品によっては、一部または全部をカスタマイズできない場合があります。
開発企業の能力: カスタマイズを最小限にするには、開発企業は高度なマーケティングリサーチと使いやすい製品を設計する能力が必要です。同様に技術者にもより高い能力が求められます。

パッケージソフトウェア導入時の注意点

パッケージソフトウェアを導入する際には、以下の点に注意が必要です。

要件定義: 導入前に、自社の業務要件を明確に定義する必要があります。
製品選定: 複数のパッケージソフトを比較検討し、自社のニーズに最も適した製品を選ぶ必要があります。
導入計画: 導入スケジュールや体制を事前に計画し、スムーズな導入を目指す必要があります。
テスト: 導入前に十分なテストを行い、不具合がないか確認する必要があります。
運用体制: 導入後の運用体制を構築し、ユーザーがスムーズに利用できるようにする必要があります。

パッケージソフトウェアの進化

近年では、クラウドベースのパッケージソフトウェア(SaaS)が登場しており、場所を選ばずに利用できる、初期投資を抑えられるなどのメリットがあります。また、デジタル配信による販売も普及しており、より手軽にソフトウェアを入手できるようになっています。

関連技術

アプリケーションサービスプロバイダ（ASP）: ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスです。
Software as a Service (SaaS): クラウド上でソフトウェアを提供するサービスです。
ダウンロード販売: インターネット経由でソフトウェアをダウンロードして購入する方法です。
ボリュームライセンス: 大量のソフトウェアライセンスをまとめて購入する方法です。
* サイトライセンス: 特定の組織内でソフトウェアを利用する権利です。

まとめ

パッケージソフトウェアは、業務効率化やコスト削減に大きく貢献する一方で、導入には事前の検討が不可欠です。自社のニーズに合った最適なソフトウェアを選択し、効果的な導入・運用を行うことが重要です。

パッケージソフトウェア品質(PSQ)認証制度 ポータルサイト - 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会

もう一度検索