パット・キャロル

パトリシア・アン・キャロル：多才なアメリカのエンターテイナー

パトリシア・アン・キャロル（Patricia Ann Carroll、1927年5月5日 - 2022年7月30日）は、アメリカ合衆国出身の卓越した女優、声優です。彼女は、その長いキャリアを通じて、舞台、映画、テレビドラマなど、様々なメディアで輝かしい足跡を残しました。

生い立ちと初期のキャリア

1927年、ルイジアナ州シュリーブポートで生まれたキャロルは、幼い頃から演技に情熱を燃やし、イマキュレート・ハート高校卒業後、アメリカ・カトリック大学に進学。演技の技術を磨き、アメリカ軍に入隊し、その才能を開花させました。

テレビ界での活躍

1956年、コメディ番組『シーザーズ・アワー』での卓越した演技が評価され、エミー賞を受賞。その後、『メイク・ルーム・フォー・ダディ』などの人気番組にレギュラー出演し、そのコメディセンスで視聴者を魅了しました。また、『ザ・デュポン・ショー・ウィズ・ジューン・アリーソン』をはじめ、『ザ・レッド・ボタン・ショー』、『ザ・ダニー・ケイ・ショー』など、数々のバラエティ番組にも出演し、その存在感を示しました。

舞台での成功

キャロルの才能はテレビだけに留まらず、舞台でも高く評価されました。1970年代後半には、ガートルード・スタインの芝居『ガートルード・スタイン、ガートルード・スタイン、ガートルード・スタイン』に出演し、主要演劇賞を受賞。この舞台の録音版は、1980年のグラミー賞で最優秀スポークンワード、ドキュメンタリーおよびドラマ賞を受賞しました。1990年には、フォルガー・シェイクスピア劇場で上演された『ウィンザーの陽気な女房たち』に、サー・ジョン・ファルスタッフ役で主演し、その演技力が高く評価されました。

アースラ役としての輝き

1989年、ディズニー映画『リトル・マーメイド』で、海の魔女アースラの声優を務め、彼女のキャリアにおける代表作となりました。キャロルは、アースラの独特なキャラクターを見事に表現し、その演技は世界中の観客を魅了しました。彼女自身も、この役を自身のキャリアの中で最も好きな役の一つと語っています。その後も、ビデオゲーム『キングダムハーツ』シリーズや、スピンオフテレビシリーズ、ディズニーテーマパークのアトラクションなどで、アースラ役を再演し、その人気を不動のものとしました。

その他の活動

キャロルは、『ラバーン&シャーリー』や『バスティング・ルーズ』などのコメディ番組にも出演し、その演技力を発揮しました。また、『A Pup Named Scooby-Doo』や『Galaxy High』などのアニメ番組では声優として活躍し、幅広い層のファンを獲得しました。さらに、『Celebrity Sweepstakes』や『Match Game 73』などのゲーム番組にも出演し、その明るいキャラクターで視聴者を楽しませました。

受賞歴と栄誉

パトリシア・アン・キャロルは、エミー賞、ドラマ・デスク・アワード、グラミー賞を受賞し、トニー賞にもノミネートされるなど、数々の栄誉に輝きました。1991年には、シエナ大学から名誉博士号を授与されました。

晩年と遺産

2022年7月30日、キャロルは95歳でこの世を去りましたが、彼女の残した功績は、これからも多くの人々に語り継がれるでしょう。彼女は、その才能と努力で、アメリカのエンターテイメント界に大きな足跡を残し、後進の育成にも尽力しました。パトリシア・アン・キャロルの名は、永遠にエンターテイメント史に刻まれることでしょう。

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