パトリック・ガイヤール

パトリック・ガイヤール。1952年2月12日生まれ、フランス・パリ出身の元レーシングドライバー。彼のF1キャリアは短く、華々しい活躍とは無縁だったものの、F1の歴史にその名を刻んだドライバーの一人と言えるだろう。

若き日はフランス国内のフォーミュラ・ルノーやF3選手権で経験を積み、1978年と1980年には日本へ渡り、全日本F2選手権に参戦。国際舞台への挑戦を続ける彼は、1979年、ヨーロッパF2選手権にステップアップする。そして同年、念願のF1への扉が開かれる。

イギリスのエンサインチームからスポット参戦を果たしたガイヤール。しかし、チームの主力マシン、エンサイン・N179は、残念ながら競争力の高いマシンとは言えず、5戦に出場したものの、予選落ちが3回と苦戦を強いられた。さらに、持ち込みスポンサー資金の枯渇により、チームは彼との契約を解消。マルク・スレールへとドライバー交代が行われた。

F1の舞台から姿を消したガイヤールだったが、1980年スペイングランプリでエンサインに復帰。このレースでは、トップから5周遅れという状況ながら6位でフィニッシュするという結果を残した。しかし、この頃激化していたFISAとFOCA（国際自動車スポーツ連盟とフォーミュラワン・コンストラクターズ・アソシエーション）の対立、いわゆるFISA-FOCA闘争の影響により、このレースは後に非選手権レースに格下げされてしまう。その結果、ガイヤールが獲得した唯一の選手権ポイントは無効となり、彼のF1での成績は、公式記録から抹消されることとなった。

スペインGPの後、ガイヤールはF1から離れ、再びF2やCan-Amなどの選手権、そしてル・マン24時間レースを含むスポーツカーレースへと参戦。数々のレースを経験した後、現役を引退した。

華麗なるF1での活躍は叶わなかったが、その経験と技術はレーシングインストラクターとしての道を切り開く礎となった。引退後は、後進の育成に力を注ぎ、モータースポーツ界に貢献している。彼のF1での短い期間は、成功とは言い難いかもしれないが、多くの経験と学び、そしてF1という舞台を経験したという貴重な事実を残したと言えるだろう。彼の名は、F1の歴史に確かに刻まれているのだ。

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レース戦績（主要なもののみ）
ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権：詳細な戦績は不明
全日本F2選手権：1978年、1980年参戦。詳細な戦績は不明
ヨーロッパ・フォーミュラ2選手権：1979年参戦。詳細な戦績は不明
F1：1979年、エンサインから5戦出場。1980年スペインGPで6位入賞（非選手権レース）
* ル・マン24時間レース：参戦歴あり。詳細な戦績は不明

※詳細なレース戦績については、www.grandprix.comなどのサイトで確認できます。

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