全日本F2選手権

全日本F2選手権

全日本F2選手権（ぜんにほんエフツーせんしゅけん）は、1978年から1986年にかけて日本で行われた自動車レースの一カテゴリーです。この選手権では、F2規定に基づいたフォーミュラカー（オープンホイール）が使用され、国内のレースシーンにおける重要な位置を占めていました。

背景と設立

全日本F2選手権の前身は1973年に創設された全日本F2000選手権で、これは当時のヨーロッパのF2にもとづいたレギュレーションで競われていました。ただし、全日本F2000選手権は量産型以外のエンジン使用を許可していたため、純粋なF2とは異なり「F2000」と名付けられていました。1976年にF2規定が改訂されてからは、F2000とF2の明確な区別がなくなり、1978年に名称が全日本F2選手権に変更されました。

選手権は1986年までの9年間にわたり開催され、特に1984年には同選手権を題材にした映画『F2グランプリ』が公開されるなど、人気が高まりました。しかし1984年をもってヨーロッパでのF2規定に基づくレースが終了し、日本でも1988年からF3000規定に基づく全日本F3000選手権に移行することとなります。

鈴鹿F2選手権

全日本F2選手権とは別に、1977年から鈴鹿サーキットにおいて「鈴鹿F2選手権」が設立されました。これは、当時の富士スピードウェイで行われていた富士グランチャンピオンレース（富士GC）に対抗する形で、鈴鹿サーキットの独自のレースシリーズを提供するためのものでした。しかし、1980年代後半になると富士との対立が収束し、全日本F3000選手権への移行とともにこの鈴鹿F2選手権は消滅しました。

マシンとエンジン

全日本F2選手権で使われたマシンの多くは、マーチによるシャシーが主力でした。初期にはシェブロンや国産のノバ・コジマが登場し、一時はラルトやトールマン・スピリットも見られましたが、長年にわたってマーチが優位を保ちました。エンジンについては、最初の頃はBMWエンジンが多く使用されましたが、1981年にホンダがRA260Eエンジンを供給開始すると、このエンジンが瞬く間に人気を博しました。ただ、ホンダは特定のチームにしかエンジンを供給しておらず、多くのドライバーはBMWエンジンを続けて使用しました。

1985年にはヤマハも参入し、レースはホンダとヤマハの二者による激しい争いに発展しました。タイヤ供給においては、当初はブリヂストンとダンロップが主に使用されていましたが、1980年代初頭に横浜ゴムが参入し、3社による競争が激化しました。

結論

全日本F2選手権は日本のモータースポーツに多大な影響を与えた重要な選手権であり、関係者やファンにとって忘れられない存在です。特に優れたドライバーやチームが輩出されたことから、後の日本の モータースポーツシーンに多大な足跡を残しました。

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