パナギオティス・ピクラメノス

パナギオティス・ピクラメノス：ギリシャの裁判官、そして暫定首相

パナギオティス・ピクラメノス（Panagiotis Pikrammenos, Παναγιώτης Πικραμμένος）は、1945年7月26日生まれのギリシャの裁判官です。彼は、ギリシャの行政訴訟における最上級審である国家評議会の長官を2009年から務め、2012年には暫定首相としてギリシャを率いました。2019年7月9日には、副首相にも就任しています。

経歴

ピクラメノスは1945年にギリシャのパトラで生まれました。1963年にアテネジャーマンスクールを卒業後、1968年にアテネ大学法学部を卒業しました。その後、パリ第2大学で大学院生として学び、1976年に国家評議会の審議官となりました。それまでは、アテネとロンドンで弁護士として活動していました。

彼は着実に昇進を重ね、2005年から2009年まで国立裁判官学校の理事長を務めました。また、法務省の多くの法務委員会にも従事し、1991年から1993年まではコンスタンディノス・ミツォタキス首相の司法事務特別顧問を務めました。2009年に国家評議会議長に任命された直後、彼の車に起爆装置が仕掛けられるという事件が発生しましたが、警察はこれを無政府主義者による犯行と見ています。

首相就任

2012年5月6日に行われた総選挙で、どの政党も過半数を獲得できず、パプーリアス大統領による連立政権樹立の試みも失敗に終わりました。そのため、規定により再選挙が行われることになり、5月16日にパプーリアス大統領はピクラメノスを選挙管理内閣の首班に指名しました。これにより、彼は政治的決定権を持たない暫定政権を率いることとなりました。

金融危機の最中に暫定首相に就任したピクラメノスは、「大きな喜びであると同時に、重い責任である」と述べました。また、彼の名前である「ピクラメノス」には、ギリシャ語で「つらい」「悲嘆にくれた」といった意味合いがあるため、就任直後にはこのことに触れ、「私にぴったりの役割だ」と冗談を言う場面もありました。

再選挙後、新民主主義党のアントニス・サマラスを首班とする連立政権樹立で3党が合意し、サマラスは6月20日に首相に就任しました。これにより、ピクラメノスの約1ヶ月に及ぶ暫定政権は終了しました。

参考文献

* ギリシャ首相公式サイト （ギリシャ語）

ピクラメノスは、ギリシャの法曹界において重要な役割を果たし、短期間ながらも国の舵取りを担った人物として記憶されています。彼の経歴は、法曹界における卓越したキャリアと、政治的な危機におけるリーダーシップを示すものと言えるでしょう。

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