パトラ

パトラの概要

パトラ（ギリシャ語: Πάτρα）は、ギリシャ共和国のペロポネソス半島の北西部に位置する歴史的な港湾都市です。この街は西ギリシャ地方の首都であり、アハイア県の県都としても知られています。古典ギリシャ語では「パトライ」と呼ばれ、パトラスとも表記されることがあります。都市圏の人口は約26万人で、ギリシャの主要都市の一つとして名を馳せています。人口においてはアテネやテッサロニキには及ばないものの、パトラは「ギリシャの第3の都市」として重要な役割を果たしています。

地理

パトラはアテネから西へ215kmの距離にあり、パナチャイコ山の麓に位置頼る先を望むことができます。郊外にはリオン・アンティリオン橋が架けられ、パトラの東部をギリシャ本土に繋いでいます。この地理的な位置は、歴史的にも貿易の要所であったことを物語っています。

歴史

古代

パトラの歴史はとても古く、先史時代から人々が居住していました。古代の伝説によると、エウメロスが3つの村を創設し、これがパトラの発祥とされています。青銅器時代には、様々な入植があり、紀元前1580年から紀元前1100年の間に都市が繁栄しました。村が合併し、アハイアの12大都市の一つとなりました。

ローマ時代

ローマの統治下でパトラは国際都市として発展しました。特に、紀元前31年にアウグストゥスが重要な軍事基地を設置し、経済と文化が花開くきっかけとなりました。彼の統治下では多くの宗教が共存し、貿易が盛んでした。その後、パトラは圧倒的な大地震や政変を経て、再び衰退を迎えましたが、キリスト教の中心地としての役割も果たしました。

中世

東ローマ時代には商業の中心地として地位を持ち続けましたが、いくつかの地震などにより衰退しました。ラテン占領には新たな統治が行われ、次第にオスマン帝国の支配下に置かれました。この時期も商業特権が与えられるなど都としての重要性は保たれました。

ギリシャ独立戦争と近代

ギリシャ独立戦争では、パトラは反乱の重要拠点となっています。1821年、ここで革命宣言が行われ、ギリシャの独立に寄与しました。その後、フランス軍によって解放された後、パトラは内政の変遷を経て、19世紀半ばから後半にかけて商業や農業の中心地として脚光を浴びました。しかし、1893年のコリントス運河の開通によって重要性は一時低下しました。20世紀初頭には再び国際貿易の面で重要な役割を果たし、都市としての再繁栄を迎えました。

現代

現在、パトラはオリーブ油やブドウ酒などの主要な輸出港として知られています。また、イタリアとの間でフェリーが運行されるなど、重要な交通の要所でもあります。市内には古代の遺跡や観光名所、特にカーニバルなど文化的イベントが数多く存在し、多くの観光客が訪れます。特に、1月から3月にかけて開催されるカーニバルは国際的にも有名です。2006年には欧州文化首都としても選ばれ、その魅力が広く評価されています。

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