パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 (AIS)

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社（略称：AIS）は、パナソニックグループにかつて存在した主要な社内カンパニーの一つです。主に車載関連のデバイスやAV機器、車載用充電器に加え、「パナソニック」ブランドの様々な種類の電池やその応用製品の開発、製造、販売を担っていました。

設立とその背景

AIS社の設立は、2013年4月に行われたパナソニックグループの大規模な組織再編によっています。この時、オートモーティブシステムズ社、デバイス社、エナジー社、マニュファクチャリングソリューションズ社といった複数の社内カンパニーと、パナソニック サイクルテック株式会社、パナソニック ポリテクノロジー株式会社といった一部の子会社が統合され、新たなカンパニーとして「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社」が誕生しました。

その前身の一つである松下電池工業株式会社は、パナソニックの電池事業において重要な位置を占めていました。1979年に松下電器産業（当時）の電池事業部が分社化され、ナショナルマロリー電池株式会社と合併して設立されたものです。ナショナルマロリー電池は1965年に松下電器産業がマロリー社（現在のデュラセル）と提携して設立されており、当時からアルカリ乾電池や水銀電池の製造を担っていました。一方、マンガン乾電池は松下電器産業本体が製造していました。

松下電器産業は2008年10月1日に社名をパナソニック株式会社に変更。これに伴い、同日付で松下電池工業株式会社もパナソニック株式会社に吸収合併され、社内カンパニーであるエナジー社に事業が引き継がれました。

事業期間中の変遷と主な活動

AIS社としての事業期間中にも、組織の変更や特筆すべき出来事がありました。

組織変更:
2014年7月には、パナソニック液晶ディスプレイ株式会社がAVCネットワークス社からAIS社に移管されました。
同時期に、パナソニック サイクルテック株式会社はアプライアンス社へ移管されています。
2016年10月には、パナソニック ストレージバッテリー株式会社の株式がGSユアサへ売却され、同社は株式会社GSユアサエナジーに社名変更しました。

製品関連:
松下電池工業時代の出来事として、2007年8月にはノキアに供給した携帯電話用電池（BL-5C）について、充電中の発熱・膨張の恐れがあることが発表されました。これに対し、ノキアによる全世界で約4,600万個におよぶ無償交換が行われました。

主な製造品目

AIS社およびその前身が手がけていた製品群は多岐にわたります。

一次電池:
乾電池（マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池など。ブランドはナショナルからパナソニックへ移行。）
オキシライド乾電池（かつて存在）
ニッケル一次電池
リチウム電池（コイン形、ボタン型など）
その他の一次電池
二次電池:
ニッケル・水素蓄電池
リチウムイオン二次電池
ニッケルカドミウム電池
その他の二次電池
電池応用製品:
ライト類（懐中電灯、ヘッドランプなど。LED化に伴い従来型は生産終了。）
豆球（ライトの生産終了に伴い販売終了。）
ベンジン懐炉（前身会社が製造。）
その他（乾電池ごますり器など）
その他:
SDメモリーカード用リーダライタ
車載用AV機器（カーナビゲーション、ドライブレコーダー、ETCなど）
半導体

組織の終焉

2019年4月、パナソニックグループは再度社内カンパニー体制の見直しを行いました。この再編により、AIS社は事業領域に基づいて分割され、発展的に解消されました。

オートモーティブ社: 車載関連事業および車載用の電池事業領域を担う。
インダストリアルソリューションズ社: 産業関連事業領域、および一次電池や産業向け二次電池を含むエネルギー事業領域の一部を担う。

これにより、AIS社は単独の社内カンパニーとしての役割を終えました。

その他

AIS社およびその関連部門は、国内外に多数の生産拠点を有していました。また、様々な関連会社を通じて事業を展開していました。特筆すべき点として、同社の松本工場は、ハビタット評価認証制度におけるJHEP認証を取得しています。また、松下電池工業株式会社時代に、ゲームソフト『ピクミン2』においてスペシャルサンクスとしてクレジットされたことがあります。

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