パラナ州

パラナ州（Estado do Paraná）

ブラジル南部に位置するパラナ州は、州庁所在地クリチバを中心に、多様な文化と歴史を育んできた地域です。1853年にサンパウロ州から分かれて成立し、現在では日本との深い関係も持つ場所となっています。州の略称は「PR」で、住民の呼称はポルトガル語で「パラナエンセ（paranaense）」とされます。

地理と周辺地域

パラナ州は、南西にパラグアイ、南にアルゼンチンと接し、周囲にはサンパウロ州やサンタカタリーナ州、さらにはミシオネス州などがあります。また、パラナ州の対蹠地には日本の沖縄県が位置し、この地域は日本国内で唯一の陸地の対蹠地となっています。

主な都市には、州都クリチバの他にロンドリーナ、マリンガ、フォスドイグアスなどがあり、特にフォスドイグアスは世界遺産であるイグアスの滝の最寄都市として観光客に人気です。

人口と人種構成

州の人口の約75%が白人で、主に19世紀後半に入植してきたヨーロッパからの移民がその背景にあります。具体的には、ポルトガル、ポーランド、イタリア、ドイツ、ウクライナからの移民が多く、20世紀に入ってからは日本やレバノン、シリアの移民が加わりました。特にポーランド系とウクライナ系の人口が多く、次いでドイツ系やイタリア系が続いています。南部地域の他州と同じく、アフリカからの奴隷の流入はなく、現在でも黒人の人口は比較的少ないです。

日系人も多く、特にロンドリーナやマリンガでは日系人の割合が高く、サンパウロ州に次ぐ規模となっています。

住環境と教育

パラナ州はブラジルの中でも先進的な地域とされており、住環境が非常に良好とされています。犯罪率は低く、教育や医療分野にも州政府の支援が充実しています。人間開発指数（HDI）は、ブラジルの26州の中で4番目に高い0.785を記録し、生活の質が高い地域です。

教育機関には、パラナ連邦大学やパラナ・カトリック大学があり、地域の教育水準向上に寄与しています。

日本との歴史的な繋がり

パラナ州は、日系ブラジル人移民の歴史において重要な地域です。19世紀末から20世紀にかけて、多くの日本人がこの地に入植し、農業や商業に従事しました。特に、上野米蔵や松原武雄をはじめとする著名な移民が多くの貢献をしたことが、州の発展に寄与しています。

パラナ州の日系人は約160万人の中に存在し、その中の約15万人がこの州に集中しています。また、野村財閥は1926年にファゼンダを買収し、農業を営むことで地域経済にも寄与してきました。

姉妹都市の関係

ブラジルのパラナ州は、日本のいくつかの都市と姉妹都市の関係を持っています。たとえば、愛知県豊橋市との提携都市はパラナヴァイ、兵庫県姫路市とはクリチバがそれぞれ提携しています。

結論

パラナ州は、その豊かな移民文化と良好な住環境、さらに教育機関の充実により、ブラジルにおける重要な地域となっています。文化的多様性の一環として、特に日本との結びつきが深いことが特徴的であり、その影響は今も地域に色濃く残っています。

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