ミシオネス州

ミシオネス州：アルゼンチンの熱帯楽園

ミシオネス州は、アルゼンチンの北東部、メソポタミア地方に位置する州です。北西はパラグアイ、北と東はブラジル、南西はコリエンテス州と国境を接しており、その地理的な特性から、多様な文化と自然が混ざり合う地域として知られています。州都はポサーダスです。

歴史

この地は元々グアラニー族の文化が色濃く残る地域でした。16世紀にはヨーロッパ人が到達し、1527年にセバスティアン・カボットがパラナ川を遡り、アピペ滝を発見しました。その後、1541年にはアルバル・ヌーニェス・カベサ・デ・バカがイグアスの滝に到達しました。

17世紀に入ると、イエズス会士がこの地に伝道所を建設し始めました。彼らの活動によって、グアラニー族は定住生活を送り、農業を学ぶようになりました。しかし、19世紀にはアルゼンチンやパラグアイとの間で領有権を巡る紛争が勃発し、支配者が何度も変わりました。最終的に、1876年にアルゼンチンがミシオネス州の領有権を確立しました。

その後、ニコラス・アベジャネーダ大統領は、ピエトロ・カネストロ将軍の協力を得て、ヨーロッパからの移民を奨励する法律を制定しました。これにより、多くのヨーロッパ人がミシオネス州に移住し、農業や商業を発展させました。特に、マテ茶の栽培が盛んになり、この地の経済を支える重要な産業となりました。

ミシオネス州は、南ブラジルからのヨーロッパ系移民が多く、特にポーランド人やウクライナ人の影響が大きいです。1953年に州として正式に認められ、1958年には憲法によってその地位が確立されました。今日では、国際的にも国内的にも領有権に関する論争は存在せず、安定した発展を遂げています。

地理

ミシオネス州は、アルゼンチンの州の中では2番目に小さい州です。ミシオネス高原が広がり、鉄分を多く含む赤土が特徴です。中央にはミシオネス山脈が走り、最高地点はセロ・リンコンの843mです。

パラナ川、ウルグアイ川、イグアス川という3つの大河が州を流れ、特にイグアス川に位置するイグアスの滝は、世界的に有名な観光スポットとなっています。この滝はブラジルのパラナ州と共有しており、パラグアイとの国境も近接しています。

気候

ミシオネス州は亜熱帯気候に属しており、乾季がないため、アルゼンチンで最も蒸し暑い地域の一つです。豊かな降水量が熱帯雨林のような植生を育み、この地特有の生態系を形成しています。イグアス国立公園では、この貴重な自然が保護されています。

人口

2022年の国勢調査によると、ミシオネス州の人口は1,280,960人です。移民の子孫が多くを占め、イタリア人、ドイツ人、スペイン人、ポーランド人、ウクライナ人など、様々な民族が共存しています。南ブラジルを経由して移住してきた人々が多いのが特徴です。

経済

ミシオネス州の経済は、観光と林業が大きな柱となっています。パラナマツなどの木材資源が豊富で、マテ茶、茶、タバコ、サトウキビ、米、コーヒーなどの農業も盛んです。牧畜はあまり行われていません。

観光業も重要な産業で、イグアスの滝をはじめとする自然や、歴史的な遺跡が観光客を惹きつけています。教育水準も向上しており、非識字率は8.6％にまで低下しています。

隣接州と行政区分

ミシオネス州は、ブラジルのパラナ州、サンタカタリーナ州、リオグランデ・ド・スル州、アルゼンチンのコリエンテス州、そしてパラグアイのイタプア県とアルト・パラナ県と隣接しています。

州は17の県に分かれており、それぞれが独自の文化と特徴を持っています。

アポストレス県 （アポストレス）
カイングアース県 （カンポ・グランデ）
カンデラリア県 （サンタ・アナ）
首都県 （ポサーダス）
コンセプション・デ・ラ・シエラ県 （コンセプション・デ・ラ・シエラ）
エル・ドラード県 （エル・ドラード）
ヘネラル・マヌエル・ベルグラーノ県 （ベルナルド・デ・イリゴジェン）
グアラニー県 （エル・ソベルビオ）
イグアスー県 （プエルト・エスペランサ）
レアンドロ.N.アレム県 （レアンドロ・N・アレム）
リベルタドール・サン＝マルティン県 （プエルト・リーコ）
モンテカルロ県 （モンテカルロ）
オベラー県 （オベラー）
サン・イグナシオ県 （サン・イグナシオ）
サン・ハビエル県 （サン・ハビエル）
サン・ペドロ県 （サン・ペドロ）
* ベインティシンコ・デ・マジョ県 （アルバ・ポセ）

ミシオネス州は、豊かな自然、多様な文化、そして歴史が融合した魅力的な地域です。イグアスの滝をはじめとする観光スポットの数々が、訪れる人々を魅了し続けています。

もう一度検索