パラントロプス・エチオピクス

パラントロプス・エチオピクス (Paranthropus aethiopicus) は、化石人類であるパラントロプス属の一種です。パラントロプス属は、かつては頑丈型アウストラロピテクスとも呼ばれていました。彼らの生息年代は、およそ270万年前から230万年前、鮮新世の終盤にかけてと推定されています。

概要

パラントロプス・エチオピクスは、パラントロプス属の3種の中で最後に発見されました。1985年のことです。先に発見されていたパラントロプス・ロブストス (P. robustus, 1938年) やパラントロプス・ボイセイ (P. boisei, 1959年) と同様に、頭頂部に矢状稜と呼ばれる隆起があり、これは頭骨が非常に頑丈であることを示しています。また、頬骨弓の形状から、現生ゴリラのように非常に強力な噛む力を持っていたと考えられています。

彼らが頑丈型に分類されること以外に、アウストラロピテクス・アファレンシス（アファール猿人）と多くの共通点を持つことから、アファール猿人の直系の子孫である可能性が高いとされています。また、パラントロプス・エチオピクスは、パラントロプス属の3種の中で最も古い種であると考えられているため、頑丈型の祖先となった可能性も指摘されています。

ブラック・スカル

1985年、アラン・ウォーカーは、ケニアのトゥルカナ湖西岸で頭骨を発見しました。この頭骨には「KNM WT 17000」という記号名称が付けられています。この頭骨は、高濃度のマンガンによって黒く着色されていたため、「ブラック・スカル」という愛称でも呼ばれています。

ブラック・スカルの発見場所はケニアでしたが、同種と見られる下顎骨が、すでに1967年にエチオピアで出土していました。そのため、これらの化石に対して「P. aethiopicus」という種名が与えられました。ブラック・スカルを元に推定すると、パラントロプス・エチオピクスの頭蓋容量は、約410cc程度であったと考えられています。

関連情報

ロバート・ウィンストン「人類大図鑑」p.452（ネコ・パブリッシング、DKブックシリーズ、2006年）
パラントロプス・エチオピクス - 鳥取県立博物館 資料データベース

関連項目

パラントロプス
パラントロプス・ロブストス
パラントロプス・ボイセイ
List of fossil sites (化石発掘地の一覧)
List of human evolution fossils (人類進化の化石一覧)
Post-canine megadontia

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