パリ市立近代美術館

パリ市立近代美術館

パリ市立近代美術館（Musée d'art moderne de la Ville de Paris）は、フランスのパリ16区に位置し、パレ・ド・トーキョーの東翼内にある美術館です。この美術館は、1937年に開催されたパリ万国博覧会の際にその設立が企画されましたが、実際に開館したのは1961年です。現在、ここには約8000点におよぶ20世紀の絵画や彫刻が収蔵されており、特に1937年の万博で発表された近代美術の作品や家具デザイン、製品デザインがコレクションの中心を成しています。

概要

パリ市立近代美術館は、20世紀初頭からの芸術の発展を映し出す重要なコレクションを誇ります。特に、モダンアートにおいて大きな影響を与えたアーティストたちの作品が多く、絵画だけでなく彫刻やデザイン作品も楽しむことができます。

ここでは、パブロ・ピカソの『招魂（カサヘマスの埋葬）』（1901年）、モーリス・ユトリロの『ブラン・マントーの教会』（1911年）、キース・ヴァン・ドンゲンの『花を盛った水盤』（1917年）など、錚々たるアーティストたちの大作が展示されています。その他にも、アメデオ・モディリアーニやアンリ・マティスの作品が所蔵されており、20世紀の美術の流れを理解するための重要な資源となっています。

盗難事件

2010年5月20日には、パリ市立近代美術館で大規模な盗難事件が発生しました。被害作品は5点で、パブロ・ピカソの『鳩と小さなえんどう豆』（1912）を始め、ジョルジュ・ブラックやアンリ・マティスの著名な作品が含まれています。この盗難の被害額は約1億ユーロ（約111億円）とされ、美術品を狙った犯罪の中でも極めて重大なものでした。

事件発生時、美術館の窓が破られ、監視カメラには一人のマスクをした男性が絵画を持ち去る様子が映っていました。特筆すべきは、犯人が十分に注意を払い、絵画を額縁から外し、カンバスのみを持ち去った点です。盗難の発覚は、翌日午前7時少し前に美術館の職員が出勤した際であったため、警報が鳴らなかった理由については今なお不明です。この事件は、2008年のビュールレ・コレクションでの盗難に次ぐ、史上2番目に大きな被害額を記録しました。

事件に関連して、2011年9月には3人が逮捕されましたが、肝心の作品の行方は今なおわからない状態です。これにより、パリ市立近代美術館はただの美術館としてだけでなく、現代美術にまつわる様々な問題を顕在化させる舞台ともなっています。

アクセス

パリ市立近代美術館へのアクセスはとても便利です。メトロのアルマ＝マルソー駅から徒歩で行くことができ、またメトロ9号線のイエナ駅からも徒歩1分ほどで到達します。美術館を訪れる際には、公共交通機関を利用するとスムーズです。

外部リンク

美術館の公式ウェブサイトでは、展示情報やイベント、教育プログラムなど最新の情報が提供されています。また、SNSでも情報が発信されており、最新の展覧会などをチェックすることができます。

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