パリ経済学校

パリ経済学校：フランス経済学界の牽引役

パリ経済学校（Paris School of Economics、PSE）は、フランス・パリに拠点を置く、世界的に名高い経済学の高等教育機関です。2006年、フランス国内の複数の名門大学や研究機関の協力により設立されました。その前身となるのは、1988年に設立されたパリ高等師範学校（ENS Ulm）の研究機関であるDELTAです。

数々の著名な経済学者や研究機関が関与し、設立当初から高い研究水準を誇ってきました。設立メンバーには、社会科学高等研究院、パリ高等師範学校に加え、国立農学研究所、パリ第1大学、国立土木学校、フランス国立科学研究センター（CNRS）などが名を連ねています。フランス国立科学研究センターの一部としての活動も行い、カリフォルニア大学バークレー校やニューヨーク大学など、海外の一流大学との活発な研究交流や学生交換プログラムも展開しています。

PSEは、フランス国内のみならず、ヨーロッパを代表する経済学研究の中心地として広く認知されています。トゥールーズ経済学院と並んで、フランス経済学界をリードする存在であり、その影響力は世界にまで及んでいます。特に、経済学分野の論文や研究成果をまとめたデータベースであるRePEcの世界大学ランキングでは、2020年4月時点で世界第5位、ヨーロッパ第1位にランクインするなど、高い評価を得ています。

PSEの知名度向上に大きく貢献したのは、同校の教授であるトマ・ピケティ氏とその著作『21世紀の資本』です。この世界的ベストセラーは、経済学への関心を高め、PSEの国際的な存在感を一層高めることとなりました。

PSEは、質の高い教育と研究を提供することに尽力しています。大学院レベルのプログラムを中心に、高度な経済学の知識とスキルを習得できる環境を提供しています。APE（Analyse et Politique Economiques）、PPD（Public policy and development）、ETE（Economie Théorique et Empirique）など、専門性の高いコースが用意されており、学生は自身の興味やキャリアプランに合わせた学習ができます。

さらに、PSEは多くの優秀な人材を輩出しており、卒業生は世界中の大学や研究機関、政府機関、国際機関などで活躍しています。例えば、ノーベル経済学賞を受賞したエスター・デュフロ氏や、著名な経済学者であるトマ・ピケティ氏、エマニュエル・サエズ氏、ガブリエル・ズックマン氏、ピエール＝オリヴィエ・グランシャ氏、トマ・フィリポン氏、グザビエ・ガヴェ氏、エマニュエル・ファーリ氏などが、PSEの卒業生として名を連ねています。

これらの卒業生は、経済学の研究、教育、政策立案など、様々な分野で重要な役割を果たしており、PSEの教育・研究の質の高さを証明しています。国際的な研究ネットワークと連携し、最先端の研究成果を社会に還元することで、世界経済の発展に貢献し続けています。

今後、PSEは、経済学研究における国際的なリーダーシップを維持し、より一層の発展を目指していくものと期待されています。その高い教育水準と世界的なネットワークは、今後も多くの優秀な経済学者を育成し、世界経済に大きな影響を与え続けるでしょう。

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