パレスマリス

パレスマリス：アメリカンヒーローから日本への架け橋

パレスマリス（2010年生まれ）は、アメリカで活躍した競走馬にして、今や日本でもその血を受け継ぐ種牡馬として知られています。その生涯は、競走馬としての華々しい勝利と、種牡馬としての成功、そして国境を越えた活躍という、ドラマチックな物語です。

レーンズエンドファームから世界の舞台へ

名馬カーリンを父に持つパレスマリスは、ケンタッキー州のレーンズエンドファームで誕生しました。セリ市を経て、ナイル・ブレナンステーブル、そしてドッグウッドステーブルとオーナーが変わりながら、トッド・プレッチャー調教師の指導の下、競走馬としてのキャリアをスタートさせます。2歳時には初勝利を挙げ、早くからその潜在能力の高さを示しました。

クラシック戦線：ベルモントステークスの栄光

3歳シーズン、パレスマリスはアメリカクラシック三冠レースに挑戦します。ケンタッキーダービーではブリンカー着用が裏目に出て大敗を喫しますが、続くプリークネスステークスを回避し、ベルモントステークスに照準を合わせます。ブリンカーを外したことで、パレスマリスは本来の力を発揮。オーブなど強豪を相手に3馬身1/4差の圧勝劇を演じ、クラシック競走制覇の栄冠を掴みました。

続くジムダンディステークスも制し、連勝街道を歩みますが、トラヴァーズステークスでは出遅れが響き4着に終わります。古馬との初対戦となったジョッキークラブゴールドカップでは2着。ブリーダーズカップクラシックでは6着に敗れ、3歳シーズンを終えます。

4歳シーズン：メトロポリタンハンデキャップ制覇

4歳シーズン、パレスマリスはガルフストリームパークハンデキャップ、ニューオーリンズハンデキャップと連勝。ウェストチェスターステークスでは圧勝し、メトロポリタンハンデキャップでも勝利を収めます。しかし、ホイットニー招待ハンデキャップでは6着と大敗、その後左後肢の管骨に骨挫傷が判明し、一度は引退が発表されます。

しかし、ドッグウッドステーブルは所有権の一部を売却の上、引退を撤回。復帰を目指しますが、5歳シーズンは思うような結果を残せず、再び引退が発表され、種牡馬入りすることとなります。

種牡馬として新たな成功

スリーチムニーズファームで種牡馬となったパレスマリスは、初年度産駒から早くも活躍馬を輩出します。特に、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフを制したストラクターは、その代表格と言えるでしょう。2020年には種付け料が上昇するなど、種牡馬としても成功を収めます。

そして2024年、パレスマリスは日本へと輸入され、北海道日高町のダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスで種牡馬としての新たなキャリアをスタートさせました。すでに、彼の産駒であるジャンタルマンタルが朝日杯フューチュリティステークスを制しており、日本でもその血統の偉大さを示しています。

血統背景と将来

母パレスルーマーはロイヤルアンセム産駒で、自身も競走馬として活躍しました。パレスマリスの半弟には、アイアンバローズ（ステイヤーズステークス勝ち馬）やジャスティンパレス（天皇賞(春)勝ち馬）といった、日本競馬界で名を馳せる馬もいます。

パレスマリスの競走馬としての輝かしい経歴と、種牡馬としての成功は、競馬界に大きな足跡を残しました。日本での活躍にも期待が高まり、彼の血統が日本の競馬界にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目されます。

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