パワージェット

パワージェット

パワージェットは、2004年7月に設立されたスネクマとNPOサトゥールンによる合弁事業です。両社が50%ずつ出資し、リージョナルジェット機、特にスホーイ・スーパージェット100に搭載されるターボファンエンジン、SaM146の計画、調査、生産、販売、そして販売後のサポートを手掛けています。パワージェットは、フランスとロシアにそれぞれ運用部門を持っています。

設立の背景

スネクマ（現サフラングループ）は、長年にわたりGE・アビエーションとの合弁会社であるCFMインターナショナルを通じて、推力8～15トンのエンジンを製造してきました。しかし、より小型の旅客機向けに、推力4～8トンのエンジン市場への参入も目指していました。1990年代半ばには、CFM56の小型版であるCFM56 "Lite"の開発をGEに提案しましたが、実現には至りませんでした。また、ラファール戦闘機用のM88エンジンの高圧ユニットを流用する案も検討されましたが、これも実現しませんでした。

一方、NPOサトゥールン（リューリカ）は、Su-27戦闘機用のAL-31エンジンをはじめ、長年にわたりスホーイ製のエンジンを開発・製造してきました。2001年、スホーイは60～95席の近距離旅客機シリーズであるロシアン・リージョナルジェット（後にスホーイ・スーパージェット100に改名）計画を立ち上げました。このエンジンを共同開発するために、スネクマとNPOサトゥールンが出資比率50/50の合弁事業を設立するに至りました。

今後の展望

パワージェットは、中期的にはSaM146を基盤として、スホーイ以外の航空機（ボンバルディアCRJやエンブラエルなど）や、ダッソー ファルコン20のようなビジネスジェット機向けのエンジン開発も視野に入れています。これにより、推力82 kN (8.35トン)以上のエンジンを製造するCFMインターナショナルのCFM56とは競合しない市場でのシリーズ化を目指しています。

スネクマは、フランスの民間航空業界での高い評価と、CFMインターナショナルの国際的な整備ネットワークを活用することで、ロシア市場での更なる発展を目指しています。

外部リンク

パワージェット公式サイト
スネクマ公式サイト
* サフラングループ公式サイト

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