パワーレンジャー・ターボ・映画版・誕生!ターボパワー

『パワーレンジャー・ターボ・映画版・誕生!ターボパワー』

1997年に公開されたアメリカ映画『パワーレンジャー・ターボ・映画版・誕生!ターボパワー』（原題：Turbo: A Power Rangers Movie）は、日本の特撮作品「スーパー戦隊シリーズ」をアメリカでローカライズしたテレビドラマシリーズ『パワーレンジャー』の劇場版第2作です。

ストーリー

物語は、宇宙の彼方にあるライエリア星を舞台に展開します。そこには異次元への扉を開く鍵を持つ魔法使いラルゴが住んでいました。宇宙の女海賊ディバトックスは、異次元の怪物マリゴルを復活させ、その力で宇宙を支配しようと企み、ラルゴを狙います。ラルゴはディバトックスから逃れるために地球にやってきます。

一方、地球では、パワーレンジャーたちが運営する児童福祉施設「天使の家」が経営難に陥っていました。資金集めのために格闘大会に出場することになったレンジャーたちは、トレーニング中にロッキーが怪我をしてしまいます。そんな中、ゾードンはラルゴが地球に来たことを察知し、パワーレンジャーにラルゴを捜索するよう命じます。

苦労の末にラルゴを発見したレンジャーたちでしたが、ディバトックス軍も地球に現れます。ディバトックスはマリゴルへの生贄として、バルクとスカル、そして初代パワーレンジャーであるキンバリーとジェイソン、さらにラルゴの家族を捕らえてしまいます。ラルゴは捕らわれた人質を解放するためにディバトックスの元へ向かいますが、人質は解放されません。

この状況を打開するため、ゾードンはトミーたちに最強のゾード「ターボゾード」と、新たな力「ターボパワー」を与えます。さらに、怪我をしたロッキーの代わりに、少年ジャスティンが新たなブルーレンジャーとして加わり、トミーたちは幻の島へ向かいます。

島に到着したトミーたちの前で、キンバリーとジェイソンはマリゴルに捧げられ、悪の戦士となってしまいますが、トミーたちの活躍によって正気に戻ります。同時に、復活して巨大化したマリゴルを、ターボメガゾードで撃破し、ディバトックス軍は退却します。島から脱出したトミーたちは、その後の格闘大会にも勝利し、「天使の家」の危機を救ったのでした。

概要

本作は、『パワーレンジャー・ジオ』と『パワーレンジャー・ターボ』の間を繋ぐ作品です。日本語版では一部のシーンがカットされています。

ターボゾードの劇用車は、カー・カスタマイザーのジョージ・ハリスが制作を担当し、ターボメガゾードの合体シーンは特撮研究所によって新たに制作されました。初代レッドレンジャーのジェイソンと初代ピンクレンジャーのキンバリーが再登場することも大きな話題となりました。

当初、監督兼脚本のシュキ・レヴィは、ジェイソン、ザック、ビリー、トリニー、キンバリーの5名が初代パワーレンジャーに変身し、ターボパワーレンジャーとともに戦うという内容を構想していましたが、ザック役のウォルター・ジョーンズが映画俳優組合に加盟済みだったため、ノン・ユニオン作品である『パワーレンジャー』には出演できないという事情から、全員の出演は実現しませんでした。

評価

シカゴ・トリビューン紙の批評では、本作は前作『パワーレンジャー 映画版』と比較して、特殊効果の質が低く、悪役の魅力も劣ると評価されました。また、変身後のパワーレンジャーの出番が少なく、子供の受けも悪かったと評されています。

登場人物

パワーレンジャー

トーマス"トミー"オリバー / レッドレンジャー
ジオ時代から引き続きレッドレンジャーを担当。格闘大会に出場し、天使の家の運営資金を稼ぐ。
ジャスティン・スティワート / ブルーレンジャー
天使の家で暮らす少年。ロッキーの怪我により、ゾードンからブルーレンジャーに選ばれる。変身後も体型は子供のままだが、戦闘時には大人の体型になる。
アダム・パーク / グリーンレンジャー
ジオ時代から引き続きグリーンレンジャーを担当。トミーと共に格闘大会に出場。
ターニャ・スローン / イエローレンジャー
ジオ時代から引き続きイエローレンジャーを担当。
キャサリン・ヒラード / ピンクレンジャー
ジオ時代から引き続きピンクレンジャーを担当。

協力者

ロッキー・デサントス
本来はブルーレンジャーになる予定だったが、怪我のため入院。ジャスティンを後継者とする。
ダニエル
トミーたちの格闘コーチ。
ジェイソン・リー・スコット
初代レッドレンジャー。キンバリーと共にディバトックスに拉致され、マリゴルの生贄にされるが、後に正気に戻る。
キンバリー・アン・ハート
初代ピンクレンジャー。ジェイソン同様にマリゴルの生贄にされるが、正気に戻る。
ゾードン
パワーレンジャーにターボゾードとターボパワーを与える。
アルファ5
デザインが変更された。
ラルゴ
マリゴルを封印した者たちの子孫。ディバトックスに狙われる。

一般人

バルク&スカル
警察に復帰するが、またも騒動を起こす。ディバトックスに拉致されるが、ジェイソンの活躍で脱出。
ストーン
バルクたちの同僚。彼らのドジに振り回される。
アーニー
格闘大会の観客。

敵

ディバトックス
宇宙の女海賊。マリゴルと結婚して力を得ようと企む。
エルガー
ディバトックスの甥。マリゴルの生贄となる。
ライゴグ
ディバトックスの手下。
マリゴル
幻の島に封印された怪物。ディバトックスの婚約者。
プトラポッド
レンジャーを妨害するモンスター。
ピラナトロン
ディバトックス配下の戦闘員。
リタ・レパルサ&ロード・ゼッド
日本語版では登場シーンがカットされている。

キャスト

トミー・オリバー - ジェイソン・デビッド・フランク（荻原秀樹）
ジャスティン・スティワート- ブレーク・フォスター （久保田恵）
アダム・パーク - ジョニー・ヨング・ボッシュ（川中子雅人）
ターニャ・スローン - ナキア・ブリース（大塚瑞恵）
キャサリン・ヒラード - キャサリン・サザーランド（金月真美）
ロッキー・デサントス - スティーブ・カーデナス（中嶋一星）
ジェイソン・リー・スコット - オースチン・セント・ジョン（村井厚之）
キンバリー・アン・ハート - エイミー・ジョー・ジョンソン（荒井静香）
ゾードン - ウィストン・リチャード / 声 - ボブ・マナハン（斉藤龍吾）
アルファ5の声 - リチャード・ウッド（松井紀子）
バルク - ポール・シュリアー（大山昇）
スカル - ジェイソン・ナーヴィー（川中子雅人）
ジェローム・ストーン - グレッグ・ブロック（長嶝高士）
アーニー - リチャード・ギネル
ディバトックス - ヒラリー・シェパード・ターナー（寺内よりえ）
エルガーの声 - デヴィッド・ウマンスキー（遊佐浩二）
ライゴグの声 - アレクシス・ラング（河相智哉）
ウォーリアー - カイ・ドイ、グレッグ・コリンズ（長嶝高士、遊佐浩二）
リタ・レパルサ - カーラ・ペレス / 声 - バーバラ・グッドソン
ダニエルコーチ - スコット・フィッシャー（河相智哉）
レフリー - エド・ニール
アナウンサー - カリール・G・サバー
アナウンサーの声 - ブラッド・オーチャード
ラルゴの声 - アレクシス・ラング
ヤアラの声、ビタルの声 - J.B.レバイン
ナレーション - ボブ・マナハン（長嶝高士）
予告編ナレーション - ドン・ラフォンティーヌ（藤原啓治）
プロモーション映像ナレーション - ケリガン・メイハン

スタッフ

製作総指揮 - ハイム・サバン、シュキ・レヴィ
製作 - ジョナサン・ヅァクワー
監督 - デヴィッド・ウィニング、シュキ・レヴィ
脚本 - シュキ・レヴィ、シェル・ダニエルソン
音楽 - シュキ・レヴィ、ユーヴァル・ロン、イノン・ジュール、ジェレミー・スウィート、ケネス・バーゴマスター、デディ・ツール
撮影 - イアン・ローゼンバーグ、ショーン・マクリーン、ジェームズ・マザーズ、ウェイン・バーカー、R・スコット・ランソン、モッシュ・レビン
スタント・コーディネーター - 坂本浩一（クレジット無し）
プロダクション・デザイナー - ユダ・アッコ
パペット操演：ポール・ピストーレ
ターボメガゾード合体シーン監督 - 佛田洋（クレジット無し）
制作 - フォックス・ファミリー・フィルムズ、サバン・エンターテイメント、東映
配給 - 20世紀フォックス
日本語版制作
演出 - 鍛治谷功
翻訳 - 中村紀美子
調整 - 長井利親
制作担当 - 三木恵子
製作 - 遠藤雅義、古玉國彦
監修 - 鈴木武幸、髙寺成紀
配給 - 東映
制作 - ムービーテレビジョン、東映

ノミネート歴

1998年ヤングアーティストアワードベストパフォーマンス賞長編映画部門：ブレイク・フォスター（ジャスティン役）

音楽

本作品のサウンドトラックは1997年3月18日にポリグラム / ポリドール・レコードからCDとカセットテープで発売。『パワーレンジャー・ジオ』の音楽も一部収録されています。

挿入歌
「Let's Rock'N Roll」
「Invincible」

EDテーマ
「Shift Into Turbo」
「Power Rangers Turbo Go」
「Hope For The World」

映像ソフト化

アメリカ合衆国
Turbo - A Power Rangers Movie（VHS）
Mighty Morphin Power Rangers The Movie / Turbo - A Power Rangers Movie（DVD）
Turbo - A Power Rangers Movie（DVD）

日本
パワーレンジャー・ターボ・映画版・誕生!ターボパワー（VHS、レンタルのみ。2ヵ国語収録。）
* 映画 パワーレンジャーターボ 誕生!ターボパワー <吹替版>（DVD）

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