パンガー県

パンガー県

パンガー県（タイ語: จังหวัดพังงา）は、タイ王国南部に位置する県の一つです。アンダマン海に面し、美しい海岸線と独特な地形が特徴です。北はラノーン県、東はスラートターニー県、南はクラビー県と接しており、西にはプーケット県が海を隔てて位置しています。

地理

パンガー県はマレー半島の西側に位置し、アンダマン海に面しています。特に有名なのは、ジェームズ・ボンド映画『007 黄金銃を持つ男』のロケ地となったタプー島です。この島は、海による浸食で形成された石灰岩の岩柱で、逆円錐形のような独特の形状をしています。また、パンガー湾には、このような奇岩が多数点在しており、その景観の美しさから、1981年にパンガー湾国立公園として指定、保護されています。湾内には、マングローブ林や石灰岩の島々が織りなす美しい自然が広がっています。

名称

パンガーという県名は、県内を流れるパンガー川に由来します。パンガー川は、県内の郡の一つであるムアンパンガー郡を流れています。さらに、このパンガーの語源は、「象の牙の山」を意味する「プーガー（ภูงา）」という言葉から来ていると言われています。

歴史

18世紀には、現在のパンガー県域にタクワパー、タクワトゥン、パンガーなどの都市が成立していました。1840年、プーケット県をビルマが攻めてきた際、パンガーは防衛上の理由から、隣接するタクワトゥンを合併しました。その後、1931年にはタクワパーも併合され、現在のパンガー県が成立しました。これらの合併により、パンガー県は現在の形になりました。

県章

パンガー県の県章には、背景にチャーン山が描かれ、手前には市庁舎が配置されています。一番手前に描かれている船は、錫を採掘するための掘削船で、これはパンガー県が錫の産地であることを示しています。県木はカジズグス（Cinnamomum porrectum）、県花は Anaxagorea javanicaです。

隣接する県

ラノーン県
スラートターニー県
クラビー県
プーケット県（プーケット島）

行政区

パンガー県は、8つの郡（アムプー）に分かれています。各郡の下には、48の町（タムボン）と314の村（ムーバーン）が存在します。

その他

パンガー県は、美しい自然景観と豊かな歴史を持つ魅力的な地域です。パンガー湾国立公園をはじめとする自然の美しさ、映画の舞台にもなったタプー島など、多くの観光スポットがあり、国内外からの観光客を魅了しています。また、錫の採掘で栄えた歴史を持ち、その名残が県章にも見られます。この地域は、自然と歴史が調和した独特な文化を育んでいます。

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