クラビー県

クラビー県について

クラビー県は、タイ王国南部に位置する県であり、アンダマン海に面しています。パンガー県、スラートターニー県、ナコーンシータンマラート県、トラン県と隣接しています。タイ語の発音では「ガビー」に近い音で発音され、古くは英語で「Gerbee」と呼ばれていました。アンダマン海の美しい景観で知られ、多くの観光客を魅了しています。

地理

クラビー県は、リゾート開発が比較的遅れていたため、豊かな自然が残されています。アンダマン海沿岸には美しいビーチが点在し、ランター島やピーピー島などの島々では、ダイビングやシュノーケリングなどのマリンスポーツが人気を集めています。手つかずの自然が多く残る地域には国立公園も多く、鍾乳洞、マングローブ林、ジャングル、石灰岩の奇岩など多様な景観を楽しむことができます。また、古世代の花崗岩が広く分布しており、雨水が浸透して湧き出る天然温泉も存在します。クラビー市内にある中国寺院のワット・タムスアは、絶壁に面した壮観な景色が有名です。

歴史

クラビー地域には、紀元前25,000年から35,000年頃には人類の居住跡が見られますが、クラビーの歴史と直接的な関係はありません。歴史的には、ナコーンシータンマラート王国の一部でした。1872年（タイ仏暦2415年）には、ラーマ5世の命によりクラビー川流域に市街地が建設されました。この市街地は現在「旧市場」と呼ばれています。その後、商港や漁港を求めて市街地は南下し、クラビー川に囲まれた半島部全体が市街地となりました。しかし、クラビー市内は海ではなく川に面しているため、大規模な貿易港として発達することはできませんでした。

開発

近年、インド洋と太平洋を結ぶ輸送路として、マラッカ海峡を通るよりも時間短縮を図るため、タイ政府はマレー半島部分に貨物輸送用の港と高速道路を整備する計画を進めています。具体的には、アンダマン海側のクラビー港（建設中）で陸揚げされた貨物を、国道44号線を通ってタイランド湾側のナコーンシータンマラートまで運び、再び船積みするというものです。この計画により、クラビー県でも開発が急速に進められています。また、レオナルド・ディカプリオ主演のアメリカ映画『ザ・ビーチ』のロケ地にもなっており、カオサン通りのシーンはクラビー市内で、島のシーンはピピレイ島のマヤベイで撮影されました。

県章

[クラビー県の県章の画像または説明]

隣接する県

パンガー県
スラートターニー県
ナコーンシータンマラート県
トラン県

行政区

クラビー県は8つの郡（アムプー）に分かれており、その下に53の町（タムボン）、さらに374の村（ムーバーン）があります。

関連項目

* チャンワット（タイの県）

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