パンサラッサ (競走馬)

パンサラッサ：世界を駆け抜けた逃亡者

パンサラッサ（Panthalassa）は、2017年生まれの日本の競走馬です。その名は、かつて地球に存在した唯一の海「パンサラッサ」に由来します。父名（海の神）より連想されたもので、壮大なロマンを感じさせます。彼は、日本調教馬として初めてサウジカップを制覇し、海外の芝とダートの両方でGIレースを勝利するという偉業を成し遂げました。特に、果敢な大逃げ戦法は世界中の競馬ファンを魅了し、「世界の逃亡者」として名を馳せました。

戦績

2歳 (2019年)

デビューは2019年9月、阪神競馬場の芝1600m戦。ここでは6着に敗れます。続く未勝利戦では2着、3戦目でようやく初勝利を飾りました。不良馬場の中、2番手から抜け出す圧勝劇でした。その後、ホープフルステークスに挑戦するも6着に終わり、2歳シーズンを終えます。

3歳 (2020年)

3歳時は、若駒ステークス4着、弥生賞9着と結果が出ず苦戦。しかし、6月に阪神競馬場の1勝クラスで2勝目を挙げると、ラジオNIKKEI賞で2着と好走します。秋には神戸新聞杯に出走するも12着と大敗。その後、リステッド競走を2戦しますが、勝ちきれませんでした。初挑戦となったダート戦、師走ステークスでは1番人気に推されるも11着と惨敗してしまいます。

4歳 (2021年)

芝に戻り、関門橋ステークスで2着。中山記念7着、読売マイラーズカップでは競走除外と不運が続きます。しかし、10月のオクトーバーステークスで吉田豊騎手を背に大逃げを敢行し、1年4ヶ月ぶりの勝利を挙げます。この勝利が、パンサラッサの新たな活路を開きました。続く福島記念では、菱田裕二騎手とのコンビで、1000mを57秒3というハイペースで逃げ切り、重賞初制覇を果たしました。奇しくも、2歳時に負かされたアカイイトもエリザベス女王杯を制し、重賞初勝利を飾っています。

5歳 (2022年)

5歳初戦の中山記念では、2番人気に応え、スタートからハナを奪い大逃げを打ち切り、重賞2勝目を挙げます。そして、3月にはドバイターフに出走。ここでもスタートから先頭を奪い、ロードノースとの1着同着という劇的な結末でGI初制覇を果たしました。馬主である広尾レースにとっても、初のGI級競走制覇となりました。

凱旋門賞への挑戦も視野に入れましたが、宝塚記念8着、札幌記念2着という結果を受け、断念。秋には天皇賞（秋）に出走し、サイレンススズカを彷彿とさせるハイペースで逃げましたが、イクイノックスに差し切られ2着。香港カップでは10着に敗れました。

6歳 (2023年)

サウジカップに招待され、初のダートGIレースに挑戦。最内枠から好スタートを決め、ハイペースで逃げると、最後はカントリーグラマーを抑え込み見事優勝。日本馬として初のサウジカップ制覇という快挙を成し遂げました。この勝利により、パンサラッサは海外の芝とダートの両方で国際GIレースを制した初の日本調教馬となりました。

続くドバイワールドカップでは10着に敗れ、その後サセックスステークスへの出走を予定していましたが、繋靭帯炎を発症し、ヨーロッパ遠征は断念。ジャパンカップで復帰するも12着と大敗し、引退レースとなりました。

12月には引退式が行われ、多くのファンに見送られ、種牡馬としての新たな生活をスタートさせました。

種牡馬として

引退後は、アロースタッドで種牡馬として供用されています。初年度の種付け料は300万円。また、オーストラリアのユーロンスタッドでもシャトル種牡馬として供用される予定です。

パンサラッサは、その個性的な逃げのスタイルと、国内外のGIレースでの活躍で、多くの競馬ファンの記憶に残る名馬となりました。種牡馬としての活躍も期待されています。

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