パーセントポイント

パーセントポイントとは？

パーセントポイント（percentage point）は、パーセントで表された二つの数値の差を示す単位です。日本語では単に「ポイント」と呼ばれることが多く、主に変化や差を明確に表現するために使用されます。例えば、ある値が40%から44%に増加した場合、「4パーセントポイントの増加」と表現します。パーセントポイントは、pp、p.p.、ppt、%pt などと略記されることがあります。

パーセントとの違い

パーセントとパーセントポイントは混同しやすい概念ですが、意味は異なります。パーセントは全体に対する割合を示すのに対し、パーセントポイントはパーセントで表された数値の差を示します。

例として、1980年に人口の50%が喫煙しており、1990年には40%しか喫煙していなかった場合を考えてみましょう。

この場合、喫煙率は10年間で「10パーセントポイント」下がったと表現します。「10パーセント下がった」とは言いません。なぜなら、「50%のうちの10%下がった」と解釈すると、50 - (50 × 0.1) = 45となり、45%になったという意味になり曖昧になるからです。また、1980年と1990年で総人口が変化している可能性があり、単純な比較ができないという理由もあります。

リスクと確率への応用

パーセントポイントの差は、リスクや確率を表すためにも利用されます。例えば、ある病気が70%の確率で治る薬があり、その薬を使用しないと50%の確率で自然治癒すると仮定します。

この場合、この薬は絶対的なリスクを20パーセントポイント軽減すると言えます。この数値を絶対リスク減少率といい、その逆数を治療必要数 (NNT) といいます。上記の例では、この薬のNNTは 1/(20pp) = 1/0.20 = 5 となり、5人の患者に薬を投与した場合、薬を投与しなかった場合よりも1人多くの患者が治癒することが期待できます。

関連する単位

パーセントポイントと関連する単位には、以下のようなものがあります。

パーセント (%) - 百分率
パーミル (‰) - 千分率
ベーシスポイント (bp)、パーミリアド (‱) - 万分率

これらの単位は、それぞれ異なる割合を示す際に使用されます。

まとめ

パーセントポイントは、パーセントで表された数値の差を明確に示すための便利な単位です。パーセントとの違いを理解し、適切に使用することで、より正確な情報伝達が可能になります。

参考文献

Wickham, Kathleen (2003) (英語). Cengage Learning. 30. ISBN 978-0-9729-9374-6. OCLC 1285640915
Brechner, Robert (2006) (CD-ROM). Contemporary Mathematics for Business and Consumers, Brief Edition (4 ed.). Thomson South-Western. ISBN 978-1-1118-0550-0. OCLC 957957458  ISBN 0324320590
Brechner, Robert (2008). Contemporary Mathematics for Business and Consumers, Brief Edition. Cengage Learning. p. 190. ISBN 978-1-1118-0550-0.
熊倉啓之、國宗進、柗元新一郎「中学生・高校生の割合の理解に関する調査研究」『静岡大学教育実践総合センター紀要』、静岡大学教育学部附属教育実践総合センター、2019年3月28日、80-89頁、doi:10.14945/00026356、OCLC 1282580354。

関連項目

Parts-per表記
相対変化
単位当たりシステム量
パン屋の計算
分位関数

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