パーティ荒し

トムとジェリー劇場版『パーティ荒し』：フランス革命を舞台にしたドタバタ劇

1952年公開の『パーティ荒し』(原題: The Two Mouseketeers)は、アカデミー賞短編アニメ賞を受賞したトムとジェリーの作品です。フランス革命を思わせる華やかな舞台と、トムとジェリー、そしてニブルスによる予測不能な展開が魅力的な、シリーズの中でも特に人気の高い作品となっています。

物語は、厳戒態勢が敷かれた城で始まります。ジェリーとニブルスは、銃士の衣装を身につけ、パーティー会場への潜入を企てています。一方、トムは城の警備係として、パーティー会場を守るよう厳命されています。失敗すれば、ギロチンで処刑されるという厳しい状況下に置かれています。

ジェリーとニブルスは、美味しそうな料理が並ぶパーティー会場に侵入し、大勢のネズミたちと共に食べ物を奪い始めます。トムはこれを阻止しようとしますが、ジェリーとニブルスの機転と、ニブルスの予想外の行動によって、次々と出し抜かれてしまいます。

二人のネズミたちは、次々と料理を奪い、トムを翻弄します。トムはジェリーを捕まえることに成功するも、その直後、ワインに酔いつぶれたニブルスが、大砲に山盛りの料理を詰め込み、トムめがけて発射するというハプニングが起こります。

この大砲攻撃によって、トムは吹き飛ばされ、ジェリーとニブルスは大量の食べ物を手に入れて、悠々と城から逃げ出します。しかし、二人が振り返ると、トムはギロチンで処刑されようとしていました。予想外の結末に、ジェリーとニブルスは驚きを隠せないものの、「まあ、しょうがないね」と平然としながら、次の冒険へと旅立っていきます。

本作は、三銃士をパロディしたタイトル『The Two Mouseketeers』からも分かる通り、フランス革命を舞台にした豪華な演出と、トムとジェリーらしいコミカルなアクションが見事に融合した作品です。ニブルスがフランス語、もしくはフランス語なまりの英語で話すシーンや、カナダのフランス語童謡『アルエット』（ひばり）を歌うシーンなど、細部にもこだわった演出が魅力の一つです。

主要登場人物

トム: 城の保安係として、パーティー会場を守る任務に就く。ジェリーとニブルスに翻弄され続け、最後は主人の命令でギロチンで処刑されてしまう。
ジェリー: ニブルスと共にパーティー会場に侵入し、トムと対決する。機転の利いた行動でトムを出し抜き、食べ物を手に入れる。
ニブルス: ジェリーの相棒としてパーティー会場に侵入。トムを翻弄し、酔っ払って大砲を発射するなど、予想外の活躍を見せる。
主人: トムにパーティー会場の警備を命じ、警備失敗を理由にトムを処刑する。

スタッフ

監督: ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
製作: フレッド・クインビー
共同製作: ウィリアム・ハンナ
脚本: ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
原画: ケネス・ミューズ、エド・バージ、アーヴン・スペンス
レイアウト: リチャード・ビッケンバック
音楽: スコット・ブラッドリー
彩色プロセス: テクニカラー
録音プロセス: ウェスタン・エレクトリック
制作: メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・カートゥーン・スタジオ
* 配給: メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、ロウズ・シアター

日本では1964年から1990年代にかけてTBS系列などで放映され、多くの人々に愛されてきた作品です。コミカルな展開と予想外の結末は、何度見ても楽しめる魅力があります。

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