パートタイム・ラヴァー

パートタイム・ラヴァー（Part-Time Lover）

1985年にスティーヴィー・ワンダーがリリースした「パートタイム・ラヴァー」は、彼のアルバム『イン・スクエア・サークル』からの最初のシングルとして世に出ました。この楽曲は、多くの音楽ファンに愛され、現在でも幅広いジャンルのカヴァーやサンプリングに使用されています。

製作と参加アーティスト

この楽曲のバッキング・トラックは、スティーヴィー・ワンダー自身によって制作され、彼の多彩な音楽センスが際立っています。リード・ボーカルにはスティーヴィーとルーサー・ヴァンドロスのコラボレーションが光ります。さらに、シリータ・ライトやフィリップ・ベイリー、キース・ジョン、メロディ・マッカリーなど、豪華なバックボーカル陣が参加し、楽曲に深みを与えています。特に、複数の歌手が重なるハーモニーは、聴く者に強い印象を残します。

また、ロング・ヴァージョンが収録された12インチ・シングルもリリースされ、2005年には「From the Bottom of My Heart」というシングルに再度収録されるなど、その魅力は色あせることなく続いています。

米国での成功

「パートタイム・ラヴァー」は、アメリカの『ビルボード』のHot 100をはじめ、R&Bチャート、アダルト・コンテンポラリー・チャート、ダンス・チャート、ダンス・チャート（マキシ・シングル）といった様々な部門で1位を獲得しました。その人気は、音楽業界においていかにこの作品が衝撃を与えたかを示しています。また、日本ではスティーヴィー本人が出演したTDKのカセットテープ「AR」のCMに使用され、1985年から1986年にかけて多くの視聴者に親しまれました。

カヴァーとサンプリング

その後、「パートタイム・ラヴァー」は多くのアーティストに影響を与え、数々のカヴァーやサンプリングが行われました。特に1991年の2パックのアルバム『2パカリプス・ナウ』に収録された「Part Time Mutha」では、この曲がサンプリングされています。さらに、コープランドの『Know Nothing Stays the Same』（2004年）、荻野目洋子の『VOICE NOVA』（2006年）、JAY'EDの『JAY'EDISCO』（2013年）など、全く異なるジャンルのアーティストによる作品にもこの曲が登場し、その影響力の広がりが伺えます。

「パートタイム・ラヴァー」は、スティーヴィー・ワンダーの才能を代表する作品として、今なお多くの人々に愛され続けています。音楽史における一つの金字塔として、後世にわたって語り継がれることでしょう。

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