パーライト (岩石)

パーライトは、加熱によって膨張する性質を持つガラス質の火山岩の総称です。一般的には真珠岩原石を指し、工業分野では、その種類が含有する水分量や組成によって、真珠岩、黒曜石、松脂岩などに分類されます。

特徴

パーライトの化学組成は、流紋岩（まれにデイサイト）に類似しており、石基はほとんどがガラス質で、少量の結晶（斑晶）が含まれていることがあります。特徴的なのは、球状や楕円体状のひび割れが多数存在し、その割れ目から真珠のように丸い破片が剥がれ落ちることです。この現象が名前の由来となっています。肉眼では丸いひび割れが見えない場合でも、顕微鏡で観察すると円形や楕円形の割れ目が多数確認できます。このような丸い割れ目を「真珠状割れ目」と呼びます。もし、真珠状割れ目が肉眼で確認できない場合は、半透明なガラス、あるいは色の薄い黒曜石のような外観を呈し、不規則に割れる性質があります。

生成過程

パーライトの生成には、流紋岩質マグマが水中などの特殊な条件下で噴出することが関与していると考えられています。この噴出過程で真珠状割れ目が形成されます。真珠状割れ目が全く見られない場合は黒曜岩となりますが、その違いが何に起因するのかは、現在のところ解明されていません。

工業利用

パーライトは、加熱すると元の体積の4倍から20倍に膨張・発泡します。この性質を利用して、発泡させたパーライトは工業製品として広く利用されています。断熱材や軽量骨材など、様々な用途で活用されています。

関連事項

岩石
火成岩
火山岩
流紋岩
岩石の一覧
黒曜岩（黒曜石）
松脂岩（ピッチストーン）
簡易消火用具
膨張真珠岩

外部リンク

パーライト - コトバンク

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