デイサイト

デイサイト：流紋岩に近い火山岩

デイサイトは、火山活動によって形成される火山岩の一種です。その化学組成、特に二酸化ケイ素（SiO2）の含有量によって分類され、デイサイトはSiO2を63～70%含む岩石として定義されています。アルカリ成分は比較的少ないのが特徴です。

かつては「石英安山岩」という名称が用いられていましたが、これはデイサイトの成分組成を正確に反映していないという問題がありました。全てのデイサイトが石英結晶を含むわけではないためです。また、近年の研究では、デイサイトは安山岩よりも流紋岩に組成的に近いという考え方が主流となり、「石英安山岩」という名称は使われなくなりました。

デイサイトは、一般的に斑状組織と呼ばれる、大きな結晶（斑晶）と小さな結晶（石基）が混在した組織を示します。斑晶には、黒雲母、角閃石、輝石といった有色鉱物と、斜長石、石英といった無色鉱物が含まれています。これらの鉱物の種類や割合、結晶の大きさなどは、デイサイトが形成された際の温度や圧力、マグマの組成などによって変化します。そのため、デイサイトの色は白っぽいものが一般的ですが、噴出時の状況や結晶化の度合いによって、様々な色合いのものが存在します。

デイサイトは、深成岩である花崗[[閃緑岩]]に対応する火山岩です。花崗[[閃緑岩]]は地下深くでゆっくりと冷えて固まった岩石ですが、デイサイトは地表付近で比較的速く冷えて固まった岩石です。このため、花崗[[閃緑岩]]とデイサイトでは、組織や鉱物組成に違いが見られますが、化学組成はよく似ています。

デイサイトは、世界各地の火山地域で産出します。その生成過程や、地質学的意義については、現在も研究が進められています。デイサイトの研究は、火山の活動史やマグマの発生・進化といった地球科学的な理解を深める上で重要な役割を果たしています。また、デイサイトは、様々な地質学的環境を反映しているため、地球の歴史を解明する上でも重要な岩石と言えます。

デイサイトの主な特徴をまとめると以下のようになります。

火山岩の一種
SiO2含有量：63～70％
アルカリ成分が少ない
斑状組織
白っぽい色が多いが、多様
有色鉱物（黒雲母、角閃石、輝石など）と無色鉱物（斜長石、石英など）を含む
* 深成岩の花崗[[閃緑岩]]に対応

デイサイトは、一見すると他の火山岩と区別がつきにくい場合がありますが、その化学組成や組織を詳しく調べることで、正確に同定することができます。地質学研究において、デイサイトは重要な岩石であり、その研究は地球科学の発展に貢献しています。

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