ヒビノ (音響映像)

ヒビノ株式会社について

ヒビノ株式会社は、プロフェッショナル向けの音響機器、映像機器の輸入販売から、音響・映像システムの設計、LEDディスプレイの開発・製造・販売、コンサートやイベントで使用される映像・PA機材のレンタルとオペレーション、さらにはライブレコーディングまでを手掛ける総合企業です。本社を東京都港区に構え、長年にわたり業界をリードしています。

事業概要

ヒビノの事業は多岐に渡りますが、中心となるのは以下の通りです。

音響機器の輸入販売: 海外の著名ブランドのプロ用音響機器を輸入し、国内で販売。
映像製品の開発・製造・販売: 自社ブランドのLEDディスプレイを中心に、映像製品の開発から製造、販売までを一貫して行う。
PA（コンサート音響）機材のレンタルとオペレート: コンサートやイベントで使用される音響機材のレンタル、技術者によるオペレートサービスを提供。
コンサート・イベント映像の機材レンタルとオペレート: 大型映像装置のレンタルと、映像演出のオペレートサービスを提供。

ヒビノは、PA業界、映像業界において国内最大手であり、業務用音響機器の専業企業としても国内有数のシェアを誇ります。

歴史

1956年に、日比野宏明氏（現会長）がテレビの販売・修理店「日比野電気」を開業したことがヒビノの始まりです。1964年に同店を母体として、音響設備会社「ヒビノ電気音響株式会社」（現：ヒビノ）を設立し、業務用音響機器の販売を開始。1970年の大阪万博でのShureのPAシステムとの出会いをきっかけに、国内販売を開始しました。当初は導入費用の高さや専門知識の必要性から販売は難航しましたが、その需要は絶えませんでした。

そこで1971年、ヒビノは販売と並行してPA機材のレンタルと技術者によるオペレートを提供するPA事業を開始。これが日本におけるPAの先駆けとなりました。コンサートの音響を手がける中で、映像の必要性を感じ、1984年に映像事業へ参入。1985年からはイベントやコンサートでの映像演出サービスを本格的に開始。当初はコンサートに映像は不要という考え方が一般的でしたが、1985年に日本で初めてコンサートに映像演出としてマルチビジョンを導入し、展示会や企業イベントでの映像需要の拡大とともに、映像事業は大きく成長しました。

1988年にはコーポレートアイデンティティを導入し、社名を「ヒビノ」、スローガンを「音と映像のプレゼンテーター」とし、企業ロゴも一新しました。その後、IT事業やポストプロダクション事業へ参入するも、後に撤退。2002年に日比野宏明氏が会長に就任し、日比野晃久氏が社長に就任。同年には業務用映像機器の開発・製造事業にも参入しました。2003年には音響・映像・編集技術者の派遣を開始。2006年2月にジャスダック証券取引所に上場しました。その後もメディア・テクニカル、ヘビームーン、スチューダー・ジャパン-ブロードキャストなどを完全子会社化し、音響・映像分野でのM&Aを積極的に展開。2013年には、エィティスリーを完全子会社化しライブハウス事業へ参入。ファーストエンジニアリングを完全子会社化し舞台用照明機器分野に進出、2015年には日東紡音響エンジニアリングを完全子会社化し建築音響へ参入。音響、映像、音楽、ライブを軸に、事業領域の拡充とものづくり事業の拡大を図っています。

電気音響・販売施工事業

この事業では、海外ブランドの音響機器の輸入代理業務と、国内音響機器の販売代理業務を行っています。取り扱う製品はプロ用・業務用の機器が中心で、放送局、音楽ホール、映画館、ライブハウス、商業施設などの音響システムの設計・施工に加え、PA会社やレンタル会社などへの販売も行っています。

主な輸入代理店ブランド: AKG、BSS Audio、CROWN、dbx、JBL PROFESSIONAL、Lexicon PRO、Soundcraft、STUDER

コンサート・イベントサービス事業

この事業は、音響部門と映像部門の2つに分かれています。

音響部門: コンサートのPA（コンサート音響）を担当し、日本におけるPAの草分けとして、国内最大級のPA会社です。30チーム体制で、ドーム5会場の同時開催にも対応できる機材量とスタッフ数を誇り、ロック、ポップスを中心に130以上のアーティストのコンサートをサポートしています。

映像部門: 大規模コンサートを中心に、展示会、式典、スポーツイベント、企業イベント、テレビ番組などで使用される大型映像装置のレンタルとオペレートを行っています。LEDスクリーンやプロジェクターをはじめとする映像機材を世界最大規模で取り揃え、コンサート以外にもオリンピック、モーターショー、万博など、様々なイベントをサポートしています。2021年にはLEDディスプレイの運用技術を基にバーチャルプロダクション技術インカメラVFXを確立し、映像制作業界へ提供しています。

過去には、北野武監督の映画『みんな～やってるか！』で、巨大スクリーンとロゴマークが使用され、レンタル料金を値切るというエピソードも残っています。

主な技術協力アーティスト・イベント

ヒビノは、数多くの著名アーティストやイベントに技術協力しています。

主な技術協力アーティスト: aiko、access、嵐、EXILE、X JAPAN、サザンオールスターズ、Mr.Children、B'zなど、多数。

主な技術協力音楽イベント: イナズマロックフェス、サマーソニック、FUJI ROCK FESTIVALなど、多数。

主な技術協力スポーツイベント: オリンピック、東京マラソン、B.LEAGUE、ラグビーワールドカップなど、多数。

主な技術協力イベント: 愛・地球博、さっぽろ雪まつり、上海万博、即位の礼、伊勢志摩サミットなど、多数。

主な技術協力テレビ番組: NHK紅白歌合戦、FNS歌謡祭、F1グランプリ、SASUKEなど、多数。

主な技術協力展示会: 東京モーターショー、東京ゲームショウなど、多数。

映像製品の開発・製造・販売事業

ヒビノは、LEDディスプレイの開発・製造・販売も行っています。自社ブランドである「ChromaLED（クロマレッド）」は、高輝度・高精細が特徴で、LEDの球は日亜化学工業製、製造組立は国内協力会社の工場で行うなど、日本製にこだわっています。街頭ビジョン、商業施設、テレビ局、国内外のレンタル会社に販売しています。

主なヒビノ製LEDディスプレイブランド: ChromaLED、ChromaVision（クロマビジョン）、infoLED（インフォレッド）

主な納入先: 東証Arrowsマーケットセンター、渋谷駅前ビジョン、東京国際フォーラム、日本科学未来館、ユニクロ各店舗など、多数。

その他の事業

上記3事業に分類されない事業として、子会社が行う舞台用照明機器の販売やライブハウスの経営などがあります。

子会社の主な輸入代理店ブランド（照明）: Avolites、Capture、LeaderLightなど。

子会社が運営するライブハウス: ケネディハウス銀座、REAL DIVA'S

組織と所在地

ヒビノは、以下の部門で構成されています。

ヒビノプロオーディオセールス Div.
ヒビノクロマテック Div.
ヒビノサウンド Div.
ヒビノビジュアル Div.
* ヒビノGMC

本社所在地は東京都港区にあり、東京ブランチ、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡にオフィスを構えています。

グループ会社

ヒビノは、多くの連結子会社と非連結子会社を持ち、グループ全体で事業を展開しています。

主なグループ会社: ヒビノインターサウンド、エレクトリ、テクノハウス、ヒビノスペーステック、ヒビノイマジニアリング、日本音響エンジニアリング、ヒビノメディアテクニカル、シグマ映像、ヒビノベスコ、ヒビノライティングなど。

ヒビノは、音響と映像の分野で、技術力と実績を積み重ねてきました。これからも、音と映像のプレゼンテーターとして、業界をリードしていくことが期待されます。

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