ヒメウスユキソウ

ヒメウスユキソウ（姫薄雪草、学名：Leontopodium shinanense）は、キク科ウスユキソウ属に分類される多年草です。別名としてコマウスユキソウとも呼ばれています。

分布

ヒメウスユキソウは、日本の中央アルプス、特に木曽山脈の花崗岩礫地にのみ自生する固有種です。将棊頭山から仙涯嶺にかけての高山帯に分布しており、限られた場所にのみ生育しています。この希少性から、長野県によって2002年に絶滅危惧IA類に指定されました。

植物学者の田中澄江氏は、著書『花の百名山』の中で、木曽駒ヶ岳を代表する高山植物の一つとしてヒメウスユキソウを紹介しました。学名の「shinanense」は「信濃」を意味しており、長野県を象徴する高山植物の一つとされています。また、宮田村では、ヒメウスユキソウを特別シンボルとして指定し、保護活動にも力が入れられています。

特徴

ヒメウスユキソウは、日本に自生するウスユキソウ属の中では最も小型であり、茎の高さは4～15cm程度です。2～3個の頭花を咲かせ、開花時期は7月から8月にかけてです。花は、一般的にエーデルワイスに似ていると形容されることがあります。その可憐な姿は、高山植物愛好家だけでなく、多くの人々を魅了しています。

近縁種

ヒメウスユキソウの近縁種としては、以下のものが挙げられます。

セイヨウウスユキソウ（西洋薄雪草、エーデルワイス） Leontopodium alpinum syn. Leontopodium nivale subsp. alpinum
エゾウスユキソウ（蝦夷薄雪草） Leontopodium discolor
ハヤチネウスユキソウ（早池峰薄雪草） Leontopodium hayachinense
ミヤマウスユキソウ（深山薄雪草） Leontopodium fauriei

関連情報

ヒメウスユキソウは、高山植物の中でも特に希少な種であり、その保護が重要視されています。木曽駒ヶ岳を訪れる際には、この美しい花を探してみてはいかがでしょうか。また、宮田村では「特別シンボルこまうすゆきそう」として、ヒメウスユキソウを大切にしています。

関連画像

[ヒメウスユキソウの画像]

関連項目

高山植物
日本の高山植物相
木曽駒ヶ岳 - 花の百名山
宮田村「特別シンボルこまうすゆきそう」

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