ヒメハギ科

ヒメハギ科（Polygalaceae）は、被子植物に属する科の一つであり、世界中の様々な地域に広く分布しています。この科には、およそ17から19の属が含まれ、その種数は900から1000種にも及びます。特に、ヒメハギ属（Polygala）が種数において大きな割合を占めています。

特徴

ヒメハギ科の植物は、草本または低木として生育します。花は両性であり、左右相称の形をしています。萼と花弁は通常それぞれ5枚ずつ存在し、内側の2枚の萼が花弁のような形状になることが多いのが特徴です。花弁は、下側の3枚が合わさって舟のような形を形成することが多く、上側の2枚は比較的小さいか、または存在しない場合もあります。雄蕊は通常8本あり、子房は上位で2室に分かれており、蒴果または核果を形成します。種子には、アリが好んで運ぶための附属体（カルンクラ）が付いています。

日本には、ヒメハギ、カキノハグサ、ヒナノキンチャク、ヒナノカンザシなどが自生しています。これらの植物はサポニンを含んでおり、セネガやイトヒメハギ（漢方薬としては遠志＝オンジ）などが、去痰薬や鎮咳薬として薬用利用されています。

分類

従来のクロンキスト体系では、ヒメハギ科はトウダイグサ科やムクロジ科に比較的近縁であるとされ、独立のヒメハギ目として分類されていました。しかし、近年のAPG植物分類体系では、マメ目に含められています。

ヒメハギは、その名の通り、外見がハギに似ています。また、左右相称の花は一見するとマメ科の蝶形花に似ていますが、マメ科との直接的な関係はないと考えられています。

属

Atroxima
Badiera
Balgoya
Barnhartia
Bredemeyera
Carpolobia
Comesperma
Diclidanthera
Epirhizanthes
Eriandra
Monnina
Monrosia
Moutabea
Muraltia
Nylandtia
Phlebotaenia
ヒメハギ属Polygala（ヒメハギ、カキノハグサ、ヒナノキンチャク、セネガなどを含む）
ヒナノカンザシ属Salomonia
Securidaca
Xanthophyllum

外部リンク

Polygalaceae in Stevens, P. F. (2001 onwards). Angiosperm Phylogeny Website Version 7, May 2006 [and more or less continuously updated since].
Polygalaceae in Watson, L., and Dallwitz, M.J. 1992 onwards. The families of flowering plants: descriptions, illustrations, identification, and information retrieval. Version: 29th July 2006

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