ヒロ川島

ヒロ川島は、日本の音楽シーンで多岐にわたる才能を発揮している人物です。トランペット奏者、ボーカリストとしての活動に加え、映像/音楽プロデューサーとしてもその手腕を発揮しています。東京で生まれ、立教大学経済学部経済学科を卒業後、音楽の道を志しました。ユニット「ラブ・ノーツ」のリーダーとしても知られています。

13歳からトランペットを始め、高校時代にジャズに魅了された川島は、大学時代に単身でヨーロッパに渡り、音楽への造詣を深めます。帰国後は外資系広告会社に勤務する傍ら、セミプロとしてライブ活動を続けました。

1986年、川島はアメリカのジャズ・トランペッター、チェット・ベイカーと出会い、音楽を通じて親交を深めます。この交流は、チェット・ベイカーの伝記にも記されています。1988年、ベイカーがアムステルダムで亡くなる直前、友情の証として長年愛用していたトランペットを川島に譲りました。

1989年、川島はチェット・ベイカーの音楽精神を継承するユニット「ラブ・ノーツ」を結成。自身のソロ活動と並行してプロとしての活動を開始し、現在に至ります。ラブ・ノーツでは、CD/DVD制作や、民放BSテレビで放映されたシリーズ番組「Jazz-Love Notes」の総合プロデュースを手掛けました。2009年には、同シリーズの特別番組「ラブ・ノーツ in ハワイ」がBS日テレで全国放映され、話題を呼びました。

また、陣ヶ尾達也監督の長編映画「Little Tear/蟻の涙」では音楽監督を務め、ラブ・ノーツのオリジナル曲「ときをこえて」が主題歌として採用されました。2013年1月には、ロサンゼルスでチェット・ベイカーが信頼を置いたピアニスト、ハロルド・ダンコや、ウェザー・リポートで活躍したドラマー、ピーター・アースキンと共にラブノーツ・スペシャルユニットを結成し、アルバム「LOVE & LIGHT」をリリース。このアルバムには、スタンダードジャズに加え、川島のオリジナル曲「パヴァーヌ」や井上真紀の「Sakura2012」などが収録されています。同年5月には、録音メンバーが来日し、JAPANツアーを開催、各地でソールドアウトとなりました。

WEBマガジン「JAZZ PAGE」の2013年度人気投票では、「ブラス」「ベストボーカルアルバム」「コンボ/グループ」の各部門で1位を獲得するなど、高い評価を受けています。さらに、第87回アカデミー賞で3部門を受賞した映画「セッション」の翻訳監修も務めました。

川島は、ウクレレにも造詣が深く、ハワイの高級ウクレレメーカー[Hana]の音楽監督と国際マーケティングを担当。2008年には、独自のコンセプトで開発した「Cocolo ukes」を発表しました。これは、廃材を再利用しつつ、楽器としての性能も高めたウクレレで、「ウクレレの進化形＝国境・人種・イデオロギーを越えた平和の楽器」として注目されました。英国のファッション・デザイナー、ポール・スミスとのコラボレーションも実現し、話題を集めました。

テレビ出演も多数あり、NHK教育の「趣味悠々」や、自身がプロデュースする「Jazz Love Notes」シリーズなどに出演しています。また、ラジオ番組やCMにも出演するなど、幅広いメディアで活躍しています。

ヒロ川島の作品は、ラブ・ノーツのアルバムの他、ソロ作品としてハーブ・オオタとのジョイントアルバム「Wave」があります。チェット・ベイカーとの関係は音楽史においても特筆すべきものであり、川島の活動は多岐にわたり、日本の音楽シーンに大きな影響を与え続けています。

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