ヒンデンブルク (巡洋戦艦)

ヒンデンブルク(SMS Hindenburg)は、第一次世界大戦時にドイツ帝国海軍が建造したデアフリンガー級巡洋戦艦の3番艦です。艦名は、ドイツの英雄的軍人、パウル・フォン・ヒンデンブルク元帥に由来します。

艦歴

ヒンデンブルクの建造時、フォン・ヒンデンブルクは既に退役していましたが、後に上級大将として復帰しました。艤装には2年もの歳月が費やされ、その間に様々な改良が加えられました。特に、姉妹艦では単棒檣であった前檣を、より強固な三脚檣に改め、頂上部には射撃指揮所を設けることで、射撃能力の向上が図られました。また、主砲の仰角も16度まで引き上げられ、遠距離砲戦に耐えうるよう強化されました。

しかし、ヒンデンブルクが艦隊に編入されたのは、戦局がほぼ決した1917年10月末頃でした。就役後、2度の出撃に参加しています。最初は1917年11月17日の北海西部、2回目は1918年4月23日のノルウェー沿岸へ向けての作戦でした。しかし、いずれも大きな戦果を挙げるには至りませんでした。

第一次世界大戦終結後、ドイツは敗戦国となり、1919年5月7日に発表されたヴェルサイユ講和条約案によって、抑留されていた全艦艇を連合国に引き渡すことが決定しました。ヒンデンブルクも、他の4隻の巡洋戦艦、11隻の弩級戦艦・超弩級戦艦、8隻の巡洋艦、48隻の駆逐艦と共に、スコットランドのスカパ・フローに抑留されることとなりました。

同年6月21日、フォン・ロイター提督は、英国の監視船が訓練のために出航した隙を突き、艦隊が英国の手に落ちるのを阻止するため、抑留されていた全てのドイツ艦艇を沈めるよう命令を下しました。この結果、53隻もの軍艦がスカパ・フローの海底に没することとなりました。ヒンデンブルクは、その中で最後に沈んだ艦でした。

沈没したヒンデンブルクは、1930年に引き揚げられましたが、解体されたのは1932年のことでした。その生涯は、時代の波に翻弄された悲劇的な戦艦として、今も歴史に刻まれています。

外部リンク

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