ビコル国際空港

ビコル国際空港の概要

ビコル国際空港（英語: Bicol International Airport、IATA: DRP、ICAO: RPLK）は、フィリピンのアルバイ州、レガスピ市に位置し、ビコル地方全体にサービスを提供しています。この空港は、地域の発展を促進する「最も風光明媚なゲートウェイ」とも称され、レガスピ市から数キロ離れたダラガに建設されています。200ヘクタールの広大な敷地にあり、マヨン山から15kmの距離に位置しています。

ビコル国際空港は、従来のレガスピ空港に代わるものとして計画され、1996年に初めてその構想が持たれました。2008年には建設が開始されましたが、さまざまな理由から何度も遅延が発生し、実際に運航が開始されたのは2021年10月7日でした。この空港は年間220万人の旅客を処理することができると期待されています。

空港の歴史

計画の始まり

ビコル国際空港の設置計画は1996年に始まり、1997年には日本の国際協力機構（JICA）が主導した研究が行われ、フィリピン国内の空港の拡張の必要性が指摘されました。2006年には空港建設予定地であるダラガにおいて、地元の指導者たちとの協議が行われ、農地を空港用に転用する計画が進められました。

この空港はビコル地方初の国際空港となるため、地域の経済成長を促進する期待が寄せられています。当時の市長は、国際空港の開設はビコラノ人の長年の夢であるとし、大統領への感謝の気持ちを表明しました。

建設と遅延

2007年に入ると、フィリピン政府は運輸通信省に対して空港建設の書類手続きを促しました。予算配分がなされたものの、建設は当初の計画から大幅に遅延し、完成予定日は繰り返し変更されました。2012年の時点で、必要な施設の多くが未完成のままであり、国庫からの出資も取り消されました。

しかし、ロドリゴ・ドゥテルテ政権下で「Build! Build! Build!」と呼ばれるインフラ整備プログラムが推進され、状況は改善されていきました。2018年には工事の進捗が報告され、滑走路など重要な施設が完成しました。

開港と営業運航

ビコル国際空港は2021年10月7日に正式に開港され、翌日から運航がスタートしました。初めて到着した商用機はフィリピン航空の便でしたが、数日後には他の航空会社も相次いで就航を始めました。開港当初は国内線のみの運航でしたが、その後国際線の就航も期待されていました。

空港の施設

旅客ターミナル

空港の旅客ターミナルは、広さ13,680平方メートルの2階建ての施設で、年間200万人の旅客を処理可能です。チェックインに利用するセルフサービスキオスクや19のチェックインカウンター、ラウンジなどが整備されています。ターミナルのデザインは、利用者に快適な空間を提供することが目指されています。

滑走路

ビコル国際空港の滑走路は1本、長さ2500メートル、幅45メートルの仕様で、十分なサイズを有しており、大型機材の着陸も可能です。また、夜間の運用にも対応しています。これにより、スムーズな運航が期待されています。

事件・事故

空港の開港後にも様々なトラブルが発生しました。2018年には、職員を乗せた飛行機が緊急着陸を余儀なくされ、無事に乗客は救助されました。また、2023年2月には残念なことに、空港から離陸したセスナ機が墜落する事故が発生し、搭乗者全員が亡くなる事態もありました。さらに、2023年10月には爆弾の脅迫があり、空港は一時閉鎖される事態が発生しましたが、幸いにもけが人は出ませんでした。

ビコル国際空港はこれからも重要な役割を果たすことが期待され、地域の交通基盤を支える存在となっています。

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