ビジネス・プロセス・アウトソーシング

ビジネス・プロセス・アウトソーシング（BPO）とは

ビジネス・プロセス・アウトソーシング（BPO）とは、企業が自社の業務プロセスの一部または全部を、外部の専門企業に委託する経営戦略の一つです。これにより、企業はコアビジネスに集中し、業務効率の向上やコスト削減を図ることができます。

BPOの概要

BPOは、従来企業内部の管理部門で行われていた業務、例えば総務、人事、経理に関連する給与計算、データ入力、処理などを外部に委託するケースが多く見られます。また、コールセンターやソフトウェア開発など、IT関連の業務もアウトソーシングの対象となることがあります。これらのIT関連業務のアウトソーシングは、特にIT[[アウトソーシング]]（ITO）と呼ばれることもあります。

BPOサービスを提供する企業は「アウトソーサー」と呼ばれます。アウトソーサーは、専門的な知識やノウハウ、高度な技術力を持ち、委託された業務を効率的かつ高品質に遂行することで、企業の競争力強化に貢献します。

アウトソーシングの現状

日本国内のBPO

日本国内では、コールセンター運営などの実作業を、地価や最低賃金が比較的低い沖縄や北海道で行う例が多く見られます。これは、コスト削減と効率化を追求した結果です。近年では、地方自治体もBPO企業の誘致に力を入れており、地域経済の活性化にも貢献しています。例えば、札幌市ではBPO受託企業の誘致策を積極的に展開しています。

海外のBPO

海外では、特にインドやフィリピンがBPOの主要な委託先となっています。これらの国々では、英語を準公用語として使用しており、欧米企業からの委託を受けやすいという利点があります。特にフィリピンでは、安価な労働力を生かしたコールセンターやCAD製図のアウトソーシングが盛んで、コールセンターの数ではインドを抜くほどです。近年では、アフィリエイトやGoogle広告の運用といった新しい分野のBPOも展開されています。

タイ王国では、政府がBPOを奨励業種として指定し、外資系企業も多く進出しています。日系企業もタイに拠点を持ち、BPOサービスを提供しています。

日本の主なBPO企業

日本国内には、数多くのBPO企業が存在します。以下は、その代表的な企業です。

アデコ株式会社
トランスコスモス株式会社
富士通株式会社
凸版印刷株式会社
株式会社パソナ
りらいあコミュニケーションズ株式会社
株式会社KDDIエボルバ
株式会社ベルシステム24

これらの企業は、様々な業界の企業に対して、幅広いBPOサービスを提供しています。

BPOの関連用語

BPOに関連する用語として、以下のようなものがあります。

アウトソーシング: 業務を外部に委託すること全般を指します。BPOはその一種です。
オフショアリング: 海外の企業に業務を委託することです。BPOと組み合わせて行われることもあります。
コールセンター: 電話やメールなどを通じて顧客対応を行う部門です。BPOの対象となることが多いです。
広告代理店: 企業の広告活動をサポートする企業です。一部のBPO企業が広告代理店業務も兼ねている場合があります。

BPOのメリットとデメリット

BPOには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

コスト削減: 人件費や設備費などのコストを削減できます。
業務効率の向上: 専門的なノウハウを持つ企業に委託することで、業務効率を向上できます。
コアビジネスへの集中: 外部委託により、企業はコアビジネスに集中できます。
専門知識の活用: アウトソーサーの専門知識や技術力を活用できます。
リスク分散: 業務の一部を外部に委託することで、リスクを分散できます。

デメリット

情報漏洩のリスク: 外部企業に情報が漏洩するリスクがあります。
品質管理の難しさ: 外部企業に委託することで、品質管理が難しくなる場合があります。
コミュニケーションコスト: 外部企業とのコミュニケーションにコストがかかる場合があります。
* 依存関係: 外部企業に依存しすぎると、自社のノウハウが蓄積されない場合があります。

まとめ

BPOは、企業が競争力を高めるための有効な手段の一つです。しかし、導入にはメリットとデメリットの両面を考慮する必要があります。企業は、自社の状況やニーズに合わせて、適切なBPO戦略を検討することが重要です。

もう一度検索