ビズ・マッキー

ビズ・マッキー（James Raleigh "Biz" Mackey, 1897年7月27日 - 1965年9月22日）は、アメリカ合衆国のニグロリーグで活躍した伝説的な野球選手です。内野手、捕手として、その才能を発揮しました。テキサス州イーグルパスで生まれ、右投げ両打ちという器用さも持ち合わせていました。

ニグロリーグ初期から、その強肩と強打で名を馳せ、日本のプロ野球設立にも深く関わったとされています。彼の野球人生は、1918年、サンアントニオのブラックエースというチームに内野手（遊撃手）として入団したことから始まりました。

1920年、ニグロ・ナショナル・リーグ設立とともにインディアナポリスに移籍。1922年には打率.344という好成績を記録しました。1923年にイースタン・カラード・リーグが組織されると、マッキーはヒルデール・デイジーズに移籍。

ヒルデールは1923年から1925年にかけてイースタン・カラード・リーグ3連覇を達成。マッキー自身も1923年に打率.423という驚異的な数字を残し、1925年のニグロ・ワールド・シリーズでは、前年敗れたカンザスシティ・モナークスに雪辱を果たしました。

1925年以降、正捕手だったルイス・サントップの衰えもあり、マッキーは捕手に転向。ここでも、その強肩を活かし、座ったままの姿勢で二塁へ剛速球を投げていたといいます。

1927年には、日米野球のためニグロリーグ選抜チームの一員として来日。明治神宮野球場で最初の本塁打を放った打者となりました。当時、マッキーが日本の選手と握手する写真が雑誌『野球界』の表紙を飾ったこともあります。また、5年後の1932年にも日本に長期滞在し、プロ野球の設立を支援したとされています。1934年と1935年にも日本を訪れています。

1937年からは、ボルチモア・エリート・ジャイアンツの監督を務め、当時10代だったロイ・キャンパネラ（後の野球殿堂入り捕手）に捕手としての技術を教え込みました。キャンパネラが一人前になったのを見届けたマッキーは、ボルティモアを離れニューアークに移籍。ここでは、モンテ・アービンやラリー・ドビー、ドン・ニューカムらを指導しました。当時二塁手だったラリー・ドビーに、外野手への転向を勧めたのもマッキーです。

その後、ニューアーク・イーグルスのオーナーだったエファ・マンリーとの衝突から1941年にチームを離れますが、1945年に現役生活を再開。1946年には再びイーグルスの監督を務めました。50歳を超えた1950年にイーグルスがヒューストンへ移転した際、現役を引退。その後、ロサンゼルスへ移住し、フォークリフトの作業員などをしていました。

1959年5月7日、ロサンゼルスのメモリアル・コロシアムで催されたキャンパネラの引退試合で、再び観衆の前に姿を現しました。

1965年、ロサンゼルスで68歳で死去。2006年には、ニグロリーグ特別委員会によりアメリカ野球殿堂入りを果たしました。

マッキーのニグロリーグでの通算打率は.322、カリフォルニア・ウインターリーグでの通算成績は、二塁打62、三塁打17、本塁打28、打率.366です。彼の功績は、野球史に永遠に刻まれています。

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