ビーアストニッシド

ビーアストニッシド：スプリングステークスを制した驚異の末脚

2019年2月28日生まれの競走馬、ビーアストニッシド（Be Astonished）。その名には「驚かされる」という意味が込められています。そして、この馬は、その名に恥じない活躍で、競馬ファンを幾度となく驚かせてきました。

デビューは2021年10月3日、中京競馬場で行われた2歳新馬戦（芝1600m）でした。10番人気という下馬評を覆し、3着とまずまずの滑り出しを見せます。続く2歳未勝利戦では、2番手から抜け出したシングフォーユーを交わし、1馬身差で初勝利を飾りました。勢いに乗って挑んだ京都2歳ステークスでは、ブービー人気にも関わらず果敢に逃げ、ジャスティンロックに半馬身差をつけられて2着という好成績を残しました。

3歳になった2022年、4戦目のシンザン記念では中団を走って4着。続く共同通信杯では先手を取り、3着と好走します。そして迎えたスプリングステークス。再び先手を奪うと、直線でもその勢いは衰えず、2番手から追い上げたアライバルをハナ差振り切って優勝。重賞初制覇という快挙を成し遂げました。この勝利は、アメリカンペイトリオット産駒にとってもJRA重賞初勝利という大きな意味を持ちました。

勝利インタビューで騎乗していた岩田康誠騎手は、「全国の皆さん、炎上の岩田です」と語り、会場を沸かせました。しかし、クラシック1冠目の皐月賞では、岩田騎手がデシエルトに騎乗したため、和田竜二騎手に乗り替わることになります。レースでは好位につけましたが、伸びきれず11着に終わりました。

ビーアストニッシドの血統背景も注目に値します。叔母には2017年のフェアリーステークス勝ち馬であるライジングリーズンがいます。祖母ジョウノファミリーの半兄には、GI・JpnI競走を7勝した名馬ブルーコンコルドがいます。さらに、6代母エベレストまで遡ると、スズパレード、チトセホープ、オフサイドトラップといった名馬も近親にあたることがわかります。そして、牝系をたどると、小岩井農場の基礎輸入牝馬であるアストニシメントにたどり着きます。

ビーアストニッシドは、その驚異的な末脚と、華々しい戦歴、そして優れた血統背景を持つ、まさに「驚かされる」存在と言えるでしょう。今後の活躍にも期待がかかります。

※競走成績はnetkeiba.comおよびJBISサーチの情報に基づき、2024年6月15日現在のものです。

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