ピエトロ・パロリン

ピエトロ・パロリン枢機卿：バチカンの外交を担う要人

ピエトロ・パロリン枢機卿は、1955年1月17日にイタリア北部のヴェネト州スキアヴォーンで生まれました。10歳の時に父親を交通事故で亡くすという経験をしています。1980年に司祭に叙階され、グレゴリアン大学で教会法を学びました。その後、教皇庁の外交官として、そのキャリアをスタートさせます。

外交官としての実績

1986年から1989年までナイジェリア、1989年から1992年までメキシコに外交官として駐在しました。特にメキシコでは、バチカンとの外交関係を樹立に大きく貢献し、その功績が認められ、メキシコ政府から最高位の勲章である「アステカ・イーグル勲章」を授与されました。この勲章は、パロリン枢機卿の外交手腕の高さを物語るものです。

2002年から2009年には、国務次官に就任し、バチカンの外交政策の中枢を担いました。在任中には、ベトナムとの間で信教の自由や外交に関する重要な会談を行い、両国関係の改善に尽力しました。

国務長官としての重責

2013年8月31日、教皇フランシスコによって国務省長官（国務長官）に任命されました。国務長官は、バチカンの外交政策を統括する重要な役職であり、パロリン枢機卿は教皇の信頼を得て、この重責を担うこととなりました。

就任後、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領から国内危機の打開策について協議を求められ、野党との調停を要請されるなど、国際的な問題解決にも積極的に関与しています。

2014年には、教皇フランシスコより枢機卿に任命され、その地位をさらに高めました。

中国との暫定合意

2018年9月には、バチカン放送を通じて、教皇庁と中華人民共和国の間で署名された司教任命をめぐる暫定合意について説明しました。この合意は、長年対立してきたバチカンと中国の関係において、一時的ながらも和解をもたらす画期的な出来事でした。しかし、その後も中国当局によるカトリック教徒への弾圧が続いている現状も指摘されています。

パロリン枢機卿は、バチカンの外交における重要な役割を担い、国際社会におけるカトリック教会のプレゼンスを高めるために尽力しています。その手腕は、今後も注目されることでしょう。

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