ピエール・ザヴィエ・ミュガビュール

ピエール・ザヴィエ・ミュガビュール（Pierre Xavier Mugabure）は、1850年1月1日にフランス南西部のバスク地方、ピレネー＝アトランティック県ゲタリーで生まれました。彼はカトリックのフランス人宣教師であり、パリ外国宣教会に所属していました。1875年（明治8年）に来日し、1906年（明治39年）にはカトリック東京大司教区の第2代大司教に就任しました。1910年5月27日に故郷で亡くなるまで、日本のカトリック教会の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと宣教への志

ミュガビュールは生後まもなく父親を亡くし、司祭であった母方の叔父に引き取られました。そのため、幼い頃から宣教師になることを志し、小神学校で6年間神学を学びました。その後、パリ外国宣教会に入会し、1874年（明治7年）9月19日に司祭に叙階されると、すぐに日本への派遣を命じられました。

日本での活動

1875年（明治8年）1月に来日したミュガビュールは、東京神学校でフランス語を教えながら日本語を習得しました。1877年（明治10年）8月には築地教会の助任司祭となり、その後、新潟、横浜へと転任しました。1885年（明治18年）にはピエール・マリー・オズーフに随伴してアメリカに渡り、帰国後、築地教会の主任司祭に就任しました。また、1885年（明治18年）から1886年（明治19年）にかけては、東京帝国大学でフランス語の教授を務めました。オズーフの要望により再度アメリカへ渡り3年間滞在しています。

帰国後、ミュガビュールは再び横浜で布教活動を行い、その後静岡へ転じました。浜松、藤枝、沼津など、静岡県下での布教に尽力し、多大な貢献を果たしました。1902年（明治35年）3月21日には東京大司教区補佐司教に任命され、同年6月22日に司教に叙階されました。

東京大司教として

1906年（明治39年）6月27日、オズーフの死去に伴い、ミュガビュールは東京大司教に就任しました。大司教として、彼は聖堂の新設や出版物の刊行に力を注ぎました。しかし、1909年（明治42年）9月に肺疾患で吐血し、療養のためフランスへ帰国することになりました。そして翌1910年（明治43年）5月27日、故郷のゲタリーで生涯を終えました。

参考文献

来日西洋人事典〔増補改訂普及版〕日外アソシエーツ 武内博 著（1995年）
一粒の麦 東京教区創立100周年記念誌（1991年）

外部リンク

カトリック東京大司教区
Archbishop Pierre-Xavier Mugabure, M.E.P. † Catholic-Hierarchy

ミュガビュールの生涯は、異国の地で信仰を伝え、人々に寄り添い、社会に貢献した宣教師の模範として、今もなお語り継がれています。

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