ピエール・マリー・オズーフ

ピエール・マリー・オズーフは、19世紀に日本でカトリック教会の発展に大きく貢献したフランス人宣教師です。1829年、フランス北西部で生まれた彼は、パリ外国宣教会に所属し、東洋での伝道を志しました。シンガポールや香港での活動を経て、1877年に来日し、日本のカトリック教会に尽力しました。

来日後、オズーフは築地の外国人居留地にゴシック様式の大聖堂の建設に着手し、1878年にはカトリック築地教会聖堂として完成させました。彼は教育事業にも力を注ぎ、シャルトル聖パウロ修道女会を招聘し、1882年にはカトリック神田教会の敷地内に孤児院や小学校（現在の白百合学園中学校・高等学校）を設立しました。また、1887年にはマリア会を招聘し、翌1888年には暁星学園を創立するなど、日本の教育の発展にも貢献しました。

1891年、日本使徒座代理区の大司教区昇格に伴い、オズーフは東京大司教区の初代教区長に任命されました。彼はその後も、教育事業や出版事業に多大な功績を残し、日本のカトリック教会の発展に大きく貢献しました。晩年はリウマチに苦しみ、1906年に風邪をこじらせて関口教会の会堂で亡くなりました。

オズーフの日本における功績は大きく、カトリック教会の基盤を築いただけでなく、教育や社会福祉の分野にも貢献しました。彼の設立した学校は、現在も日本の教育機関として重要な役割を果たしています。オズーフは、日本のカトリック教会史において重要な人物の一人として記憶されています。

参考文献
一粒の麦 東京教区創立100周年記念誌（1991年）
人物による日本カトリック教会史-聖職者および信徒-75名伝 池田敏雄著（1968年）
来日西洋人事典〔増補改訂普及版〕日外アソシエーツ 武内 博著（1995年）

関連項目
パリ外国宣教会
* カトリック築地教会

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