ピシカチナイ山

ピシカチナイ山（ピシカチナイやま）

ピシカチナイ山は、北海道の上川郡新得町と河東郡鹿追町の2町にまたがる山です。石狩山地を構成する東大雪の南部に位置し、その特徴的な山容は鋸の歯のようなギザギザの山頂部です。

概要

山頂部には、標高1,308.3mの二等三角点「菱勝内山」が設置されています。しかし、三角点よりも西側に位置するピシカチナイ山の最高点の方が標高が高く、1,310m以上あります。ただし、最高点は鋭い岩峰上に位置するため、登頂は困難を極めます。そのため、地図には最高点の標高が記載されていない場合があります。

山名の由来

山名は、ピシカチナイ川の名前に由来するとされています。ピシカチナイ川の河川名はアイヌ語であり、その語源にはいくつかの説があります。

「ピゥチ・カツチ・ウン・ナィ（燧石・発火棒・ある・川）」：この説は、かつてこの川で燧石が採取されたことに由来すると考えられています。
「ピ・ウシ・カッチ・ナイ（石の多い水源川）」：この説は、川の源流部に多くの岩石が存在することに由来すると考えられています。
「piske-sin-nay（浜側の山・川）」：ニペソツ川やイシカリベツ川などに挟まれた山から見て、相対的に海に近い山から流れる川として名付けられたと考えられています。
「pes -ke pe un nay（水際の崖・の所・の上・につく・河谷）」：「水際の崖」とは、十勝川沿いにある標高336m地点付近の崖を指すとされています。

このように、ピシカチナイ山の名前の由来には複数の説があり、その正確な語源は特定されていません。

登山

ピシカチナイ山への登山ルートは、主に2つあります。

東側のシイシカリベツ川沿いの林道から：朝日橋を越えてすぐの林道から入山します。
南側のオソウシュ川から：オソウシュ川沿いから入山します。

しかし、いずれのルートも登山道は整備されていません。無雪期は藪漕ぎを強いられるため、残雪期に登る登山者が多いです。最高点は藪に覆われた岩峰の頂上であり、危険なため、三角点を山頂として引き返す人が多いのが現状です。

ピシカチナイ山は、登山道がないため、登山経験者向けの山と言えるでしょう。しかし、その手付かずの自然と、山頂からの雄大な景色は、多くの登山者を魅了しています。

注意

ピシカチナイ山への登山は、十分な準備と計画が必要です。登山道がないため、地図やGPSなどのツールを必ず持参し、天候の変化に注意しながら登山してください。また、熊などの野生動物にも注意が必要です。

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