ピドゥルギ号

ピドゥルギ号について

ピドゥルギ号（ピドゥルギごう）は、韓国鉄道庁による過去の列車の一種であり、各駅停車を行う運行形式に位置づけられていました。この名称は、平和の象徴とされるハトを意味し、特にその意義を持って姿を現しました。1963年の鉄道庁発足時には「ポトン（普通）」という名称が用いられていましたが、1983年に現在の名称に変更されたことで、その存在感を強めました。

車両と運行の歴史

ピドゥルギ号で使用される車両は、当初からおおむね老朽化したものでした。トンイル号からの格下げされた客車も使用されており、それに加えて日本統治時代に導入された軽量客車が含まれていました。車両の外観は、白地に灰色と黄色の帯が配されたデザインが特徴でしたが、過去には青地に白帯、さらには緑一色のカラーバリエーションも存在していました。

1990年代には、トンイル号への格上げが促進され、より快適な移動手段が求められる中で、ピドゥルギ号は次第にその役割を縮小されていくこととなりました。最終的には、江原道の旌善線でのみ運行されることとなり、2000年11月14日にその運行が終了しました。長い歴史を持つピドゥルギ号は、多くの乗客に愛されながら地域交通の一環を担ってきました。

気動車の導入と運行

1961年からは、ソウルの周辺で日本から供与されたディーゼル気動車159両を用いて運行を開始しました。この気動車は、日本国有鉄道によって開発された最新の一般形気動車を基にし、特に180馬力エンジンを2基備えたキハ52形を韓国に合わせて設計変更したものです。この気動車の製造は、新潟鉄工所、近畿車輛、川崎車両、日本車輌製造など、日本の各社によって手がけられました。

当初は動力車が不足していたこともあり、気動車2両の間に客車3両を挟む形（2M3T）での運用も行われました。その後、エンジンを撤去された20両の気動車は付随車として使われるようになりました。1974年以降は、首都圏電鉄の拡大に伴って地方線区への転属が進められましたが、49両もの車両が事故により廃車にされ、その中で8両が火災事故により失われるという想定外の事態も発生しました。最終的には1997年初頭にこれらの日本製気動車は全て運行を終了しました。

関連情報と影響

ピドゥルギ号は、その運行形態や車両の姿を通じて、多くの乗客たちに愛されてきました。廃止された今でも、その名は韓国の鉄道史における重要な部分として記憶されており、地域交通の歴史を語る際には欠かすことのできない存在です。韓国鉄道公社の発展とともに、ピドゥルギ号の存在は多くの人々の思い出に刻まれています。

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