ピュアハーツ

株式会社ピュアハーツは、日本の芸能プロダクションとして1998年に東京都新宿区で創業しました。岡田秀春氏によって設立された同社は、タレントのマネジメント事業を核としながらも、音楽制作、CD販売、そして特に舞台芸術の企画・制作・プロデュースといった分野で独自の存在感を示しています。

創業当初より事業範囲を広げ、音楽制作とCD販売にも着手しました。2000年に手掛けたビートルズのカバーアルバム制作が縁となり、テノール歌手であり声楽家の中島啓江氏が所属アーティストとなります。中島氏を看板アーティストとして迎えたことで、同社の活動は大きく発展します。中島氏のライフワークとなった銀座博品館劇場での定期公演「夢で逢いましょう」シリーズの企画・制作に深く関わり、永六輔氏、立川志の輔氏、小林幸子氏、コロッケ氏、岡本知高氏など、幅広いジャンルの著名人をゲストに招いた公演をプロデュースしました。この公演を通じて、オペラやミュージカル、演劇など様々な要素を取り入れた舞台制作のノウハウを着実に蓄積していきました。

また、社会貢献活動にも積極的に取り組みました。2003年には中島啓江氏と共に全国各地に合唱団を設立し、地域に根差したコンサート活動を展開しました。さらに、2005年からは阪神・淡路大震災の被災地支援を目的としたチャリティーコンサートを毎年開催し、中島氏が急逝する2014年まで継続しました。

2009年には、代表の岡田氏と中島氏が中心となり、音楽を通じた地域住民の交流活性化を目指すNPO法人「音楽で日本の笑顔を」の設立を支援しました。このNPO活動では、指揮者の坂本和彦氏を迎え、サントリーホール大ホールや東京芸術劇場といった著名な会場で、オーケストラとの共演による大規模なコンサートや、新国立劇場オペラパレスでのオペラ公演などを実現させています。

2014年11月23日、長年にわたり同社の活動を支えてきた中島啓江氏が急逝するという大きな出来事がありました。ピュアハーツは、「クラシックやオペラをもっと身近に」という中島氏の生前の強い願いと遺志を引き継ぎ、その普及活動を続けています。その一環として、2021年にはクラシック音楽、特にオペラの魅力を一般の人々にも分かりやすく伝えるための情報サイト「オペラハーツ」を開設しました。

ピュアハーツは、その他の事業分野にも積極的に進出しています。2006年には、将来有望な子役の育成に特化したプロダクションとして、トレジャーハート株式会社（設立当初の社名はキッズキャンディ）を設立しました。時代の変化に対応し、2021年にはオンラインでの教育事業として「トレジャーハート・オンラインアカデミー」内に「こどもYoutuberコース」を開設するなど、新たな取り組みも行っています。

さらに、映像制作の分野にも活動範囲を広げています。2017年には地方再生プロジェクトとして短編映画「おとめ桜」を制作し、この作品が第15回モナコ国際映画祭で最優秀脚本賞と最優秀女優賞を受賞するなど、国際的な評価も得ました。2021年には、ラインプロデューサーである阿久根裕行氏らと共に、関西テレビで放送された連続ドラマ「アバランチ」の制作の一部を受託するなど、テレビドラマ制作にも携わっています。

これまでに手掛けた主な舞台作品としては、オペレッタ『こうもり』（2016年）、オペラ『ひかりのゆりかご～熊になった男』（2017年）、Super神話音楽劇『ドラマティック古事記ー神々の戦いと旅立ちの物語ー』（2017年）、ファンタジック・オーケストラミュージカル『古事記～スサノオと美琴』（2018年）などがあり、いずれも著名なスタッフ・キャストを迎えて上演されています。

株式会社ピュアハーツは、設立以来、芸能マネジメントを基盤としながら、音楽、舞台、映像、教育といった多岐にわたるエンターテイメント分野で事業を展開しています。特にクラシック音楽の振興や、NPOを通じた地域社会への貢献、チャリティー活動など、文化芸術の力を通じて社会に貢献することを目指している企業です。

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