ピュトーSA18

ピュトー SA 18 (Puteaux SA 18)

ピュトー SA 18は、第一次世界大戦後にフランス軍によって運用された火砲で、主に戦闘車輌に装備されました。この火砲は、半自動の垂直鎖栓式閉鎖機を採用しており、高速での発射が可能でありながら、そのシンプルかつ信頼性の高い設計が際立っています。ただし、その低初速のため、装甲目標に対しては効果が薄く、主に歩兵や機関銃陣地に対して使用されることを想定していました。

兵器としての特性は、貫通能力の限界を抱えていました。特に1939年の後半においては、軽装甲の戦闘車輌に対しても通用しなくなっていたため、戦場での役割は縮小されていきました。しかしながら、シングル操作が可能で、発射中の作動不良の影響が少ないため、取り扱いは容易となっていました。

技術的詳細

ピュトー SA 18の砲身の長さは21口径長（L/21）で、最大発射速度は毎分15発に達しますが、実際の発射速度はおおよそ毎分10発程度でした。垂直鎖栓式の閉鎖器を使用しており、砲尾には薬室に弾薬を装填するための穴が設けられています。この閉鎖機構により、鎖栓が上方向にスライドして砲尾を効果的に閉じる仕組みになっています。

砲身の下側には、駐退復座機が設置されています。砲の左側面には、直接照準器が取り付けられており、この位置で砲手は操作を行います。また、砲手の安全を考慮した防危板と肩当ても設けられており、後座からの衝撃から守っています。

砲の操作は、とても直感的で、撃針式の点火装置が鎖栓の下側に配置されており、撃鉄とトリガーも右手で容易に操作できます。この設計は、発砲時の安定性を高め、兵士が迅速に対応できるように考慮されています。

装備されていた車輌

ピュトー SA 18は、フランス軽戦車の標準的な兵装として知られています。第一次世界大戦中にはルノー FT-17軽戦車に、第二次世界大戦中にはルノー R35やオチキス H35/H38、FCM36といった軽戦車にも装備されていました。また、様々なフランスの装甲車にも搭載され、特にホワイト・ラフリー WL-50に多く使用されました。

ポーランド陸軍でも使用され、wz.18ピュトー砲として、ルノー FT-17やルノー R35、オチキス H35などの軽戦車の砲塔に搭載されました。また、プジョー装甲車やWz.28、Wz.29、Wz.34装甲車といった様々な車輌にも用いられ、一部は河川用舟艇や装甲列車にも搭載されました。

高速徹甲弾

彼の時代において、徹甲弾の装甲貫通力には限界がありました。1892/1924年式の徹甲弾は、「400 mで8 mm」という非常に低い効果を持ち、他の同口径の武器と比較しても劣るものでした。しかし、1935年と1937年には新型の高速徹甲弾が開発され、弾芯に鋼を用いたことで、装甲貫通力は大幅に向上しました。この新式の弾は、「400 mで21 mm」、「1,000 mで15 mm」という性能を持ち、従来の弾よりも2.5倍以上の効果を発揮しました。

関連項目

• - M1916 37mm歩兵砲: ピュトー SA 18の原型
• - ピュトー SA38: 砲身長を33口径にした後継戦車砲で、装甲貫通力は「1000 mで30 mm」です。

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