ピューリッツァー賞 詩部門

ピューリッツァー賞詩部門：アメリカ詩壇の栄光の歴史

ピューリッツァー賞は、ジャーナリズムや文学など様々な分野における優れた業績を称えるアメリカの権威ある賞です。その中でも詩部門は、1922年よりアメリカ人詩人の才能を顕彰する重要な役割を担ってきました。本稿では、ピューリッツァー賞詩部門の歴史と、受賞作品・受賞者について概観します。

部門設立以前の特別賞

ピューリッツァー賞詩部門が正式に設立される以前の1918年と1919年には、アメリカ詩協会の助成金によって特別賞が授与されました。この特別賞は、のちに詩部門の設立へと繋がる重要なステップとなりました。

1918年: サラ・ティーズデール（Love Songs）
1919年: カール・サンドバーグ（Cornhuskers）、マーガレット・ウィドマー（Old Road to Paradise）

これらの作品は、当時アメリカで注目を集めていた詩人たちによるもので、後の詩壇の発展に大きな影響を与えました。

輝ける受賞者たちと作品の数々

1922年の部門設立以降、多くの詩人がピューリッツァー賞詩部門を受賞しました。受賞作品は、アメリカ文学史において重要な位置を占め、多様な詩的表現と革新的な試みを反映しています。以下に、一部の受賞者と作品を紹介します。

1920年代:

1922年: エドウィン・アーリントン・ロビンソン（Collected Poems）
1923年: エドナ・ミレイ（The Ballad of the Harp-Weaver: A Few Figs from Thistles: Eight Sonnets in American Poetry）
1924年: ロバート・フロスト（New Hampshire: A Poem with Notes and Grace Notes）
1925年: エドウィン・アーリントン・ロビンソン（The Man Who Died Twice）
1926年: エイミー・ローウェル（What's O'Clock）
1927年: レオノーラ・スパイヤー（Fiddler's Farewell）
1928年: エドウィン・アーリントン・ロビンソン（Tristram）
1929年: スティーヴン・ヴィンセント・ベネー（John Browns Body）
1930年: コンラッド・エイキン（Selected Poems）

1930年代～1950年代:

この時代には、ロバート・フロストが二度目の受賞を果たすなど、アメリカ詩壇を代表する詩人たちが名を連ねています。様々な詩風が登場し、詩の世界は多様化の一途を辿りました。

1931年: ロバート・フロスト（Collected Poems）
1932年: ジョージ・ディロン（The Flowering Stone）
1933年: アーチボルト・マクリーシュ（Conquistador）
1934年: ロバート・ヒルヤー（Collected Verse）
1935年: オードリー・ワーデマン（Bright Ambush）
1936年: ロバート・P・T・コフィン（Strange Holiness）
1937年: ロバート・フロスト（A Further Range）
1938年: マリア・ザツレンスカ（Cold Morning Sky）
1939年: ジョン・グールド・フレッチャー（Selected Poems）
1940年: マーク・ヴァン・ドーレン（Collected Poems）
1941年: レオナルド・ベーコン（Sunderland Capture）
1942年: ウィリアム・ローズ・ベネー（The Dust Which）
1943年: ロバート・フロスト（A Witness Tree）
1944年: スティーヴン・ヴィンセント・ベネー（Western Star）
1945年: カール・シャピロ（V-Letter and Other Poems）
1946年: 受賞作なし
1947年: ロバート・ローウェル（Lord Weary's Castle）
1948年: W・H・オーデン（The Age of Anxiety）
1949年: ピーター・ヴィレック（Terror and Decorum）
1950年: グウェンドリン・ブルックス（Annie Allen）
1951年: カール・サンドバーグ（Complete Poems）
1952年: マリアン・ムーア（Collected Poems）
1953年: アーチボルド・マクリーシュ（Collected Poems）
1954年: セオドール・レトゥキ（The Waking）
1955年: ウォレス・スティーヴンス（Collected Poems）
1956年: エリザベス・ビショップ（Poems - North & South）
1957年: リチャード・ウィルバー（Things of This World）
1958年: ロバート・ペン・ウォーレン（Promises: Poems 1954-1956）
1959年: スタンリー・クニッツ（Selected Poems 1928-1958）
* 1960年: W・D・スノッドグラス（Heart's Needle）

1960年代～2020年代:

この時代には、社会情勢や文化の変化を反映した作品が数多く登場しました。現代詩の多様性と深みを物語る受賞作品が輩出されています。受賞者一覧は、スペースの関係上省略します。

まとめ

ピューリッツァー賞詩部門は、アメリカ詩壇の歴史と発展を映す鏡です。受賞者と作品は、それぞれの時代を代表する詩的表現を示し、アメリカ文学に多大な貢献を果たしてきました。今後も、この賞が新たな才能の発掘と、アメリカ詩壇のさらなる発展に貢献していくことが期待されます。

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