ピリベツ岳

ピリベツ岳

ピリベツ岳は、北海道河東郡上士幌町に位置する標高1,602mの山です。石狩山地の東大雪を構成する山の一つであり、その周辺の山々と共にクマネシリ山塊を形成しています。

概要

ピリベツ岳は、[西クマネシリ岳]、クマネシリ岳(1,585.9 m)、南クマネシリ岳(1,560.1 m)といった山々と連なっており、これらの山々をまとめてクマネシリ山塊と呼んでいます。かつての東西蝦夷山川地理取調図や北海道実測切図では、これらの山々が「クマネシリ」として一括して表記されていました。

地元では、上士幌町の十勝三股から望むピリベツ岳と西クマネシリ岳のシルエットが女性の乳房を連想させることから、「オッパイ山」という愛称で呼ばれることもあります。これは、その独特な山容から生まれた親しみやすい呼び名と言えるでしょう。

山名は、美里別川の源流であることに由来し、アイヌ語の「pir-pet（渦・川）」が語源であると考えられています。この名前は、山の麓を流れる川の様子を表しており、地域の自然と深く結びついていることを示しています。

登山

ピリベツ岳には、明確な登山道は整備されていません。しかし、クマネシリ山塊を周回する登山者が多く、その過程で自然と踏み跡が形成されています。かつては上士幌町側からの登山道も存在しましたが、登山口へと続くシンノスケ三の沢林道が路面洗堀のため通行止めとなっており、現在では足寄町の美里別川側からのルートが主な登山道となっています。

美里別川側からのルートでは、まず美利別本流林道の跡を進みます。その後、尾根に取り付き、クマネシリ山塊の稜線を目指して登ります。稜線に到達した後は、踏み跡を頼りに北へ進むことで山頂に辿り着きます。ただし、林道跡の一部は崩壊している箇所があり、尾根は急峻であるため、足元に注意しながら慎重に進む必要があります。

登山に際しては、十分な準備と注意が必要です。登山道が整備されていないため、地図やGPSなどの装備は必須です。また、天候の変化にも注意し、無理のない計画を立てることが重要です。経験豊富な登山者にとっても、ピリベツ岳は手強い山の一つと言えるでしょう。

ピリベツ岳は、その美しい自然とユニークな山容で、多くの人々を魅了し続けています。登山を通じて、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

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