西クマネシリ岳

西クマネシリ岳：北海道の雄大な自然を体感できる山

北海道上士幌町と足寄町にまたがる西クマネシリ岳は、標高1,635mを誇る雄大な山です。北海道百名山に選定されており、その美しい景観と手ごわい登山ルートで知られています。石狩山地の東大雪山系に位置し、ピリベツ岳、クマネシリ岳、南クマネシリ岳と共にクマネシリ山塊を形成しています。かつてはこれらの山々がまとめて「クマネシリ」と呼ばれていました。

西クマネシリ岳は、その独特の地形から「オッパイ山」という愛称でも親しまれています。上士幌町の十勝三股から望むピリベツ岳と西クマネシリ岳のシルエットが、女性の乳房のように見えることから付けられた名前です。また、西クマネシリ岳とクマネシリ岳の東南側には、長い台地が広がっています。この台地は、一部の人々から「ギアナ高地」と呼ばれ、独特の景観を呈しています。

西クマネシリ岳を含むクマネシリ山塊には、多くの魅力的な特徴があります。その一つが十四の沢川に存在する三股永久凍土です。この永久凍土は、北海道の寒冷な気候を示す貴重な自然遺産と言えるでしょう。

山名の由来はアイヌ語にあり、「クマネシリ」は「物干し棒のような山」という意味を持つとされています。「物干し棒」とは、東南側の台地を指していると考えられています。一方、ピリベツ岳は美里別川の源流に由来する名前です。

登山ルートは、主に上士幌町の十勝三股側と足寄町の美里別川側からアクセスできます。しかし、十勝三股側からの登山道は、2024年3月8日現在、林道の路面洗掘により通行止めとなっているため、現在は美里別川からのルートがメインとなっています。南クマネシリ岳へは、クマネシリ川沿いの糠南支線林道から登山口へアクセスできますが、上士幌町側からの登山道はありません。

西クマネシリ岳、ピリベツ岳、クマネシリ岳いずれの山も、なだらかな斜面とは言い難く、急登が多く、体力と経験が求められます。ルートによっては踏み跡が不明瞭な場所もあり、藪漕ぎが必要となる場合もあります。登山計画を立てる際には、十分な準備と注意が必要です。装備をしっかり整え、経験者と同行するなど、安全に配慮した登山を心がけましょう。

西クマネシリ岳は、北海道の豊かな自然を体感できる素晴らしい山です。しかし、その登山は容易ではありません。挑戦する際には、十分な準備と安全対策を行い、大自然の素晴らしさと厳しさを同時に味わってください。

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