ピローク

ピローク（ロシア語: пиро́г; IPA: [pʲɪˈrok]）は、東スラブ地域で広く作られている伝統的なパイです。その名前は、スラヴ祖語で「宴」や「祝祭」を意味する「ピル（пир）」に由来しており、お祝いの席でよく食べられます。ピロークは、片手で手軽に食べられる惣菜パンのようなピロシキとは異なり、パイとして作られる点が特徴です。

形状

ピロークの形状は様々で、楕円形が一般的ですが、円形や長方形のものもよく見られます。また、完全に生地で覆われたものや、タルトのように上部が開いたものもあります。スウェーデンでは、三角形のピロークが作られています。

生地

生地には、一般的に酵母で発酵させたパン生地が使われますが、パイ生地を用いることもあります。これにより、様々な食感や風味が楽しめます。

詰め物

ピロークの中身は、甘いものから惣菜まで多岐にわたります。甘いフィリングとしては、ヴァレニエ（ジャムの一種）、クワルク（フレッシュチーズ）、カッテージチーズ、リンゴ、プラム、ベリーなどの果物、さらにはちみつやナッツ、芥子の実などが使われます。惣菜としては、肉、魚、キノコ、キャベツ、米、ソバの実、ジャガイモなどが詰められます。ウクライナ料理やロシア料理では、特に惣菜ピロークは、ピロシキと同様にボルシチ、出汁、コンソメなどの透明なスープと一緒に食されるのが一般的です。

その他の情報

ピロークは、東スラブの食文化を代表する料理の一つであり、その多様な形や味は、地域や家庭によって異なります。 праздничный стол(祝祭の食卓)には欠かせない料理の一つで、今もなお愛され続けています。

関連項目

ロシア料理の一覧
ピロシキ

外部リンク

* 世界の食文化19　ロシア - 農文協 著者：沼野充義・沼野恭子、ISBN 4-540-05008-7

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